
レンソイスとアマゾンで出会った、白い砂丘と水の森

今長谷
こんにちは、ネイチャーガイドの今長谷です。
長く旅に関わっていると、「きれいでした」だけではどうしても言い足りない風景に出会うことがあります。ブラジルのレンソイスとアマゾンは、まさにそんな場所でした。白い砂がどこまでも続く静かな世界と、水と緑と生きものの気配に満ちた森。まるで正反対のような二つの風景なのに、どちらもこちらの感覚をゆっくりほどいてくれるんですね。今回は、そんなブラジルで私が実際に感じた空気や景色を、旅の記録として綴ってみたいと思います。
ブラジル旅行でレンソイスに惹かれた理由とは?
白い砂丘の向こうに別世界がありました
レンソイスという名前を最初に聞いたとき、正直に言うと、私の頭の中にも「砂丘」のイメージが先にありました。日本人にとって砂丘といえば、やはり鳥取砂丘のような風で削られた砂の起伏を思い浮かべる方が多いと思います。私もどこかで、その延長線上にある景色を想像していたんです。ところが、実際にそこへ立ってみると、その予想はきれいに裏切られました。
車を降りて、さらさらした砂の斜面を少しずつ上がっていきます。足元は軽いのに、踏み込むたびに靴がすっと沈む。乾いているのに、どこかひんやりしていて、その感触がまず印象に残りました。そして15分ほど歩いて、最後の小さな起伏を越えた瞬間、視界がぱっと開けたんです。目の前は、一面の白でした。ほんとうに、見渡す限り、真っ白なんです。あのときは、ほんの一瞬、言葉が出ませんでしたね。「あ、これは別の星みたいだな」と、素直にそう思いました。
ガイドとしていろいろな絶景を見てきましたが、レンソイスは久しぶりに、立ち止まってただ見入ってしまう風景でした。初めてウユニ塩湖を訪れたときに近い感動が、胸の奥からじわっと上がってきたのを覚えています。世界にはまだ、こちらの想像を軽く超えてくる場所があるんだなと、あらためて思わされた場所でした。
車を降りて、さらさらした砂の斜面を少しずつ上がっていきます。足元は軽いのに、踏み込むたびに靴がすっと沈む。乾いているのに、どこかひんやりしていて、その感触がまず印象に残りました。そして15分ほど歩いて、最後の小さな起伏を越えた瞬間、視界がぱっと開けたんです。目の前は、一面の白でした。ほんとうに、見渡す限り、真っ白なんです。あのときは、ほんの一瞬、言葉が出ませんでしたね。「あ、これは別の星みたいだな」と、素直にそう思いました。
ガイドとしていろいろな絶景を見てきましたが、レンソイスは久しぶりに、立ち止まってただ見入ってしまう風景でした。初めてウユニ塩湖を訪れたときに近い感動が、胸の奥からじわっと上がってきたのを覚えています。世界にはまだ、こちらの想像を軽く超えてくる場所があるんだなと、あらためて思わされた場所でした。
レンソイスの見どころは?
真っ白な砂漠にエメラルドの湖が浮かぶ風景
レンソイスのいちばん大きな魅力は、やはりこの風景の組み合わせにあると思います。砂丘そのものが美しいのはもちろんですが、ただ白いだけでは終わらないんですね。砂は日差しを受けると細かく光を返し、その白さが本当に独特です。乾いた砂漠というより、砕いた水晶が地平線まで敷き詰められているような見え方をするんです。
その真っ白な起伏のあいだに、雨季のあとだけ無数のラグーンが現れます。色はひとことで青とは言えません。エメラルドグリーンに見える場所もあれば、光の向きによっては少しミルキーで、やわらかな緑に見えることもある。風が吹くと水面がさわさわ揺れて、静かなようでちゃんと生きている。その感じがなんとも不思議で、遠くから見れば点在する湖なのに、近づくとそれぞれがちゃんと違う表情を持っているんです。
日本人は、どこか「季節の一瞬」に心を動かされる感覚を持っていると思います。桜が満開の時期を待ったり、紅葉の見頃を気にしたりするように、いちばん美しいタイミングに出会いたいという気持ちがありますよね。レンソイスもまさにそういう場所で、行けばいつでも同じ風景があるわけではありません。だからこそ、雨季のあとにだけ現れるこの白と緑の景色には、余計に心をつかまれるのだと思います。
その真っ白な起伏のあいだに、雨季のあとだけ無数のラグーンが現れます。色はひとことで青とは言えません。エメラルドグリーンに見える場所もあれば、光の向きによっては少しミルキーで、やわらかな緑に見えることもある。風が吹くと水面がさわさわ揺れて、静かなようでちゃんと生きている。その感じがなんとも不思議で、遠くから見れば点在する湖なのに、近づくとそれぞれがちゃんと違う表情を持っているんです。
日本人は、どこか「季節の一瞬」に心を動かされる感覚を持っていると思います。桜が満開の時期を待ったり、紅葉の見頃を気にしたりするように、いちばん美しいタイミングに出会いたいという気持ちがありますよね。レンソイスもまさにそういう場所で、行けばいつでも同じ風景があるわけではありません。だからこそ、雨季のあとにだけ現れるこの白と緑の景色には、余計に心をつかまれるのだと思います。
レンソイス観光の魅力は朝夕にある。
朝日、夕景、星空でまるで別の場所になる
レンソイスのすごさは、ひとつの時間帯だけでは語れません。むしろ私は、この場所は朝、昼、夕方、そして夜で、まるで別の場所になると思っています。朝は空気がまだやわらかく、白い砂の上に淡い光がすっと伸びてきます。昼になると光は一気に強くなって、白さがきりっと際立つ。夕方は逆に、光が少しやさしくなって、砂の陰影がゆっくり深くなる。その移ろいを見ていると、同じ風景の中に、いくつもの表情が隠れていることがよくわかります。
この旅では、朝日、サンセット、そして月明かりの少ない時期の星空まで味わえるようになっています。これはかなり大きな魅力だと思っています。というのも、レンソイスは「一度見て終わり」の場所ではなく、時間とともに空気まで変わる場所だからです。朝のしんとした感じ、夕方の少しやわらいだ風、夜の音の少なさ。そういうものを全部含めて、ようやくこの場所の魅力が立ち上がってくる気がします。
さらに、セスナで上空から眺めると、その印象はまた変わります。地上では白い丘をひとつひとつ見ていたのに、空からだと、その白の海に緑の湖が無数に散らばっているのがわかる。地上で感じる静けさと、上空で感じるスケール感。その両方を味わえるのは、この旅のかなり贅沢なところだと思います。
この旅では、朝日、サンセット、そして月明かりの少ない時期の星空まで味わえるようになっています。これはかなり大きな魅力だと思っています。というのも、レンソイスは「一度見て終わり」の場所ではなく、時間とともに空気まで変わる場所だからです。朝のしんとした感じ、夕方の少しやわらいだ風、夜の音の少なさ。そういうものを全部含めて、ようやくこの場所の魅力が立ち上がってくる気がします。
さらに、セスナで上空から眺めると、その印象はまた変わります。地上では白い丘をひとつひとつ見ていたのに、空からだと、その白の海に緑の湖が無数に散らばっているのがわかる。地上で感じる静けさと、上空で感じるスケール感。その両方を味わえるのは、この旅のかなり贅沢なところだと思います。
ブラジル・アマゾンの魅力とは?
湿った空気と水の匂いに包まれる森の時間
レンソイスの白い乾いた風景からアマゾンへ移ると、空気ががらりと変わります。まず肌に触れる湿度が違う。風がしっとり重くて、土の匂い、水の匂い、葉の青い匂いが混ざった空気がすっと入ってきます。日本の夏の森にも湿度はありますが、アマゾンの湿り気はもっと濃くて、もっと奥行きがあります。こちらが空気を吸っているというより、森の呼吸の中に入っていくような感じでした。
アマゾンというと、子どもの頃に図鑑やテレビで見た「大河」「ジャングル」「秘境」といった言葉を思い浮かべる方が多いと思います。私もそうでした。でも実際にその場へ行ってみると、あのイメージが急に現実の重みを持ち始めるんです。川はとにかく広くて、場所によっては海みたいに見える。ボートがざぶん、ざぶんと水を割って進み、遠くから鳥の声がして、耳のそばでは虫の気配が続いている。にぎやかなはずなのに、なぜか自分の気持ちは静かになっていく。アマゾンには、そういう不思議な落ち着きがありました。
大河のスケール感だけでなく、その中で過ごす時間そのものを味わえるのが、アマゾンの良さだと思います。何かを次々見るというより、森と水のリズムに自分の感覚が少しずつ合っていく。あの感覚は、現地に行ってみないとわからないものかもしれません。
アマゾンというと、子どもの頃に図鑑やテレビで見た「大河」「ジャングル」「秘境」といった言葉を思い浮かべる方が多いと思います。私もそうでした。でも実際にその場へ行ってみると、あのイメージが急に現実の重みを持ち始めるんです。川はとにかく広くて、場所によっては海みたいに見える。ボートがざぶん、ざぶんと水を割って進み、遠くから鳥の声がして、耳のそばでは虫の気配が続いている。にぎやかなはずなのに、なぜか自分の気持ちは静かになっていく。アマゾンには、そういう不思議な落ち着きがありました。
大河のスケール感だけでなく、その中で過ごす時間そのものを味わえるのが、アマゾンの良さだと思います。何かを次々見るというより、森と水のリズムに自分の感覚が少しずつ合っていく。あの感覚は、現地に行ってみないとわからないものかもしれません。
アマゾン観光で印象に残った体験。
ピンクイルカが近づくと、大人でも心がほどけます
アマゾンでは、ジャングル散策や川での時間、朝日や夕景の観賞、二つの色の川が交わる風景など、印象に残る体験がいくつもあります。どれもアマゾンらしさを感じられるものですが、その中でもやはり特別だなと思ったのは、ピンクイルカとの距離の近さでした。
ピンクイルカと聞くと、どこか伝説のような響きがありますよね。実際、私も初めて聞いたときは半分くらいそう思っていました。でも現地では、その存在がちゃんと生きものの気配として近くにあります。すっと水面が動いて、気づくとすぐ近くにいる。思った以上に距離が近くて、そのたびにこちらの表情までゆるんでしまうんです。大人になってから、こういうふうに理屈抜きでうれしくなる瞬間って、実はそんなに多くない気がします。だから余計に、心に残るのかもしれません。
私は野生動物を見るとき、いつも「見せてもらっている」という感覚を大事にしています。こちらが主役ではなくて、あくまで向こうの世界に少しだけお邪魔している。その感覚があると、出会いのひとつひとつがより丁寧なものになります。ピンクイルカもまさにそうで、近くまで来てくれるからこそ、こちらも騒ぎすぎず、ただその時間を受け取る。そういう静かな喜びが、アマゾンにはありました。
ピンクイルカと聞くと、どこか伝説のような響きがありますよね。実際、私も初めて聞いたときは半分くらいそう思っていました。でも現地では、その存在がちゃんと生きものの気配として近くにあります。すっと水面が動いて、気づくとすぐ近くにいる。思った以上に距離が近くて、そのたびにこちらの表情までゆるんでしまうんです。大人になってから、こういうふうに理屈抜きでうれしくなる瞬間って、実はそんなに多くない気がします。だから余計に、心に残るのかもしれません。
私は野生動物を見るとき、いつも「見せてもらっている」という感覚を大事にしています。こちらが主役ではなくて、あくまで向こうの世界に少しだけお邪魔している。その感覚があると、出会いのひとつひとつがより丁寧なものになります。ピンクイルカもまさにそうで、近くまで来てくれるからこそ、こちらも騒ぎすぎず、ただその時間を受け取る。そういう静かな喜びが、アマゾンにはありました。
ブラジル旅行で感じた人のあたたかさ。
日本から来たと言うだけで距離が縮まることがある
旅の印象を決めるのは、景色だけではありません。現地の人とのちょっとしたやりとりが、その土地の記憶をやわらかくしてくれることがあります。ブラジルでは、「日本から来ました」と伝えたときの相手の反応に、あたたかさを感じる場面が何度かありました。ぱっと笑顔になったり、歓迎するような空気が返ってきたり、その一瞬だけで旅人の気持ちはかなり軽くなるものです。
日本人は海外に行くとき、どこかで少し身構えているところがあると思います。治安はどうかな、ちゃんと馴染めるかな、言葉が通じなくても嫌な思いをしないかな。私自身も、初めての土地ではそういうことを考えます。でもブラジルでは、その緊張がふっとほどける瞬間がありました。特別なイベントではなく、ちょっとした受け答えや表情のやわらかさの中に、それがあるんですね。旅を「行ってみたい」から「行けるかもしれない」に変えてくれるのは、案外そういう小さな安心感なのかもしれません。
日本人は海外に行くとき、どこかで少し身構えているところがあると思います。治安はどうかな、ちゃんと馴染めるかな、言葉が通じなくても嫌な思いをしないかな。私自身も、初めての土地ではそういうことを考えます。でもブラジルでは、その緊張がふっとほどける瞬間がありました。特別なイベントではなく、ちょっとした受け答えや表情のやわらかさの中に、それがあるんですね。旅を「行ってみたい」から「行けるかもしれない」に変えてくれるのは、案外そういう小さな安心感なのかもしれません。
レンソイスとアマゾンを一緒に旅する意味。
白い静けさと生命の濃さ、その両方に出会える
レンソイスの魅力は、白い静けさにあります。余計なものが削ぎ落とされたような風景の中に立っていると、自分の頭の中のざわざわまで少し静まっていく気がします。一方でアマゾンは、まるで逆です。水が流れ、森が息をし、鳥や虫や動物の気配が絶えずどこかにある。その生命の濃さに包まれていると、自分もまた自然の一部なんだという感覚が戻ってくるんです。
乾いた砂のざらりとした感触と、湿った森の空気。真っ白な世界の静けさと、水の森に満ちる気配。その両方をひとつの旅で味わえるからこそ、このブラジルの旅は記憶に残るのだと思います。ただ有名な景色を見て終わるのではなく、自分の感覚そのものが少しひらくような旅。私はそういう旅が好きですし、この旅にはその要素がしっかりあると感じています。
もし、まだ知らない世界に一歩踏み出してみたい気持ちが少しでもあるなら、レンソイスとアマゾンはきっと、その期待に応えてくれると思います。写真では伝わりきらない光、匂い、湿度、音があります。そしてその場に立ったとき、自分の中に残る感覚があります。ブラジルは遠い国ですが、遠いからこそ出会える風景が、確かにありました。
乾いた砂のざらりとした感触と、湿った森の空気。真っ白な世界の静けさと、水の森に満ちる気配。その両方をひとつの旅で味わえるからこそ、このブラジルの旅は記憶に残るのだと思います。ただ有名な景色を見て終わるのではなく、自分の感覚そのものが少しひらくような旅。私はそういう旅が好きですし、この旅にはその要素がしっかりあると感じています。
もし、まだ知らない世界に一歩踏み出してみたい気持ちが少しでもあるなら、レンソイスとアマゾンはきっと、その期待に応えてくれると思います。写真では伝わりきらない光、匂い、湿度、音があります。そしてその場に立ったとき、自分の中に残る感覚があります。ブラジルは遠い国ですが、遠いからこそ出会える風景が、確かにありました。







