
今長谷
ネイチャーガイドの今長谷です。カンボジアと言って真っ先に思いつくのはアンコールワットですが、他にもおすすめの観光地がまだまだあります。北部の観光地のシエムリアップ郊外には自然に屈したような遺跡が残り、豊かな森の中の祈りの場や、東南アジア最大の湖で庶民の暮らしなどを垣間見ることが出来ます。ポルポト派の大虐殺もこの国の歴史の一部です。魅力あふれるカンボジアを写真満載でお届けします。
アンコールワットとアンコールトムだけではない
カンボジア北部の魅力
アンコールワット遺跡の街 シエムリアップ
必ず訪れたい観光地

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シエムリアップは12世紀前半のクメール王国の王都。アンコールワットで有名ですが、街そのものが遺跡のような街です。広大な遺跡・象のテラスも是非訪れたいですし、街を見おろすプノンバケンは遺跡であり、夕陽を見る丘として夕方には多くの観光客が集まります。郊外のバンテアイスレイは967年に作られたヒンドゥー教の寺院で「東洋のモナリザ」と呼ばれる優雅なレリーフで有名です。またポルポト派の粛清という名の大虐殺で1975年から4年間で数千人が殺されたキリングフィールドはカンボジアの歴史を今に伝えています。
東のアンコールワット
森に破壊されたまま残るベンメリア遺跡

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アンコールワットから東へ40km。まったく修復されずに森の中に残されたベンメリア遺跡は周囲4.2kmという巨大遺跡です。使われた建築の構図はアンコールワットと共通点が多く、「東のアンコールワット」と呼ばれます。先に作られたため、アンコールワットを作るために実験的に作られたのではないかともいわれます。巨大な木々に破壊され、森に呑みこまれたような姿は「天空の城ラピュタ」を連想させることでも有名です。
アンコール時代を開いた川の中の遺跡
プノンクーレンは避暑地のリゾート

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シエムリアップから北東45km、標高450mの山岳地のプノンクーレンは避暑地として多くの庶民が訪れ場所です。歴史的にも貴重で802年にジャヤヴァルマン2世がこの地で王として即位。その後、600年続くアンコール時代の幕開けとなりました。川の中を見れば川の底に作られた珍しい遺跡も残っています。今も仏教の祈りの場として多くの信心深い人々が訪れる一方、川や滝では子供たちの歓声があがるリゾート地でもあります。
東南アジア最大の湖
伸縮する湖 トンレサップ湖

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カンボジアの心臓と呼ばれるトンレサップ湖(意味は淡水湖)。乾季は琵琶湖の3倍の大きさですが、雨季はメコン川に流れ込むトレンサップ川が逆流して琵琶湖の10倍になる伸縮する湖です。いくつも水上の村があり世界最大規模の100万人が水上生活しています(いまはベトナム人が多いということです)。漁業が盛んでアンコール時代から人々の生活を支えています。ボートに乗って村を訪れると船をつないだだけの家、増水に備えた高床式の家、学校や教会まであります。ボートで立ち寄るお土産屋にはワニが飼われていました。

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いかがだったでしょうか? カンボジアではもちろんアンコールワットは外せませんが、他にも多くの観光地がある見応えたっぷりの観光国です。以前は地雷が埋められていて危険なイメージもありましたが、観光客が訪れるような場所はすっかり整備されています。東南アジアで最もお勧めできる国の一つです。