南極上陸クルーズ

今回の世界探訪は、「南極大陸」です。映画「南極物語」で見ていた頃は、とても行けない厳しい場所でしたが、今では様々な規制はあるものの旅行として訪れることができる場所となっています。ペンギンにクジラ、アザラシといった動物たちの王国である南極、昔から憧れていました。では、しばし南極の旅にお付き合いください。

氷の世界、七つ目の大陸「南極」に上陸したい。
念願叶えるためついに南極への旅に出た。

夢を実現するまでの長い年月と
向かうまでの長い時間がかかった分だけの感動がそこにある

北アメリカ、南アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリア、アジア、そして南極
7大陸と呼ばれる大陸が地球上に存在する。

私はその7大陸の一つに上陸を果たせないでいた。
残りの一つは南極大陸だ。
子供の頃からずっと夢見ていた。

「地球上に存在する7つの大陸に上陸する」

日本から南極大陸まで飛行機でひとっ飛びというわけにはいかない。
飛行機を乗り継ぎ、さらに船に乗って数日かけて向かわなければならない。
南極大陸は最後に上陸すると決めていた。

今まで神秘的な光景や滅多に出会えない動植物を見てきたが、どうしてもまだ納得がいかない。
どれも素晴らしい貴重な経験だったが・・・

「でも・・・まだ夢を叶えてない」

そして、私は遂に七つ目の最後の大陸に向った。

長い船旅を終え、ゾディアックボートに乗り込んだ。
すでに目の前に漂う流氷や氷の世界が見えている。
ペンギンやアザラシが目の前で生命を燃やしている。

「もうすぐだ・・・もうすぐ」

今まで訪れた場所とは全く違う。
こんな世界が地球上に本当に存在するなんて信じられない。

そして、私を乗せたゾディアックボートがゆっくりと大陸に近づいていく。
ボートを大陸に着岸すると、ガイドが私の手を取り、上陸を支えてくれた。
遂に私は7つ目、最後の大陸に上陸した。

「長かった・・・今日までどれくらいの年月が経っただろう」

夢見てから今日まで、私は沢山のことを考え、沢山のことを経験してきた。
その中で、何度もこの瞬間を思い描いた。

一歩、また一歩と私は大陸を足で感じとる。
そして、10歩ほど歩いたところで私は立ち止まった。

「ここは南極大陸なんだ」

そう思った瞬間、今までずっと押し止めていた感情が湧きあがってくるのが分かった。

「遂に長年見てきた夢が叶った」

目から涙が溢れてきた。願った時間、ここまでの長旅の分だけの感動がそこにあった。

南極を旅するなら外せない時期と見所

【南極は11月から3月がベストシーズン】

南極に行くなら、11月から3月がベストシーズンです。特に私たちがオススメをしているのは2月から3月初旬にかけてです。なぜなら2月から3月に南極大陸に行くと、ペンギンの雛が大きく育っている姿を見ることができるます。南極と言えばやはりペンギン。野生の彼らが子育てを行う姿こそが南極そのものを実感させてくれます。

南極のペンギンの親子

南極に対する皆さんのイメージは極寒の大地で全身が凍りつくイメージだと思いますが、実は私が訪れた南極半島は緯度が低い場所にあるので12月から3月は割と暖かいです。天候が良ければ5℃という日本の冬の温度ぐらいまで気温が上がります。

日本からアメリカまで飛行機で12時間、アメリカから南米アルゼンチンのブエノアイレスまで飛行機で12時間ほどかけて移動します。ブエノスアイレスに一泊し、ブエノスアイレスから船の出発点で世界最南端の街・ウシュアイアまで飛行機で3時間の旅です。ウシュアイアに着くと、クルーズ船「オーシャンエンデバー号」に乗船して2日間ほどかけてドレーク海峡を越えて南極大陸の一部の南極半島の先端に向かいます。

【行き帰りは快適で充実したクルージング】

南極条約という世界の国々で締結した決まりがあり、南極大陸に上陸するのは1度に100名のみです。大型船で行った場合は、交代で100名ごとに上陸するため、順番待ちが大きなストレスになりますし、上陸機会も少なく、上陸時間も限られたものになります。折角はるばる南極に行くなら少しでも多くその大自然、その絶景を楽しみたい。そこで、今回の旅では極地クルーズ専用の小型船「オーシャン・エンデバー号」に乗って向かいます。定員は200名。100名が上陸し、残りの100名はゾディアックボートで南極の流氷やその上で生活する動物を見るクルーズをして、時間が来たら交代。一瞬も無駄な時間なく常に南極を楽しめるベストサイズの船です。

オーシャンエンデバー

南極では他にも決まりがあり、現地にいるペンギンやアザラシ、オットセイなどに触れることや近づくことは禁止されています。ペンギンから近づいてきた場合などは例外です。

 

オーシャン・エンデバー号の話に戻りますが、行き帰りに4日間、南極で4日間の合計8日間船の旅になりますが、このクルーズ船の生活は非常に快適です。

オーシャンエンデバー オーシャンエンデバー オーシャンエンデバー オーシャンエンデバー

豪華客船クルーズではなく、エクスペディションクルーズと呼ばれる探検クルーズですから船内での服装はカジュアルで大丈夫です。船外活動も黄色いパルカという完全防水の防寒上着を無料で頂けますので基本的に日本の冬服を準備するだけで大丈夫。このパルカはもちろんお持ち帰りOKですからスーツケースにその分の余裕を見ておく必要があります。冬用の帽子や手袋(それぞれ2組)、防水性のズボン(無ければ暖かいズボンにカッパ)は必要になりますが、いずれも日本の冬に使うようなもので充分です。

パルカを着て

パルカで快適

パルカ

パルカを着て下船

食事は朝食と昼食はビュッフェ、夕食はビュッフェか、前菜からメイン、デザートまでいくつものチョイスから選ぶアラカルトになります。いずれも毎日飽きが来ないように工夫された美味しい食事を楽します。そしてお酒を飲める人には非常に嬉しいビールやワインは飲み放題です。

南極クルーズの食事
南極クルーズの食事 南極クルーズの食事 南極クルーズの食事 南極クルーズの食事 南極クルーズの食事

部屋は個室から2人部屋、さらに3人部屋まで選ぶことができますし、部屋のサイズや階数などでランクも色々。ゴージャスで広いスィート、さらにお得な3人部屋の相部屋など予算に合わせてということになります。

各部屋にシャワー、洗面、トイレが付いていますし、快適な空調設備も完備されています。のどが渇けばコーヒーステーションでいつでもコーヒーやお水を無料で頂くこともできます。

オーシャンエンデバー

オーシャンエンデバ―客室

オーシャンエンデバー

トイレ&洗面所

南極大陸に向かう最中、船内で南極についての講義が行われます。もちろん日本語ではなく全て英語です。英語では全然理解できないと思う方もいらっしゃると思いますが、私がお勧めするクルーズには専門の知識を持った日本語通訳が同行するので安心してください。

講義の最中に日本語に通訳をしてくれたり、全く別枠で日本人だけの講義を企画してくれる場合もあります。

講義では動物や歴史、気候の話などを勉強します。予習しているかどうかで、南極での体験は大きく変わるので、船の中でしっかり勉強することをおすすめしています。

南極クルーズ中の講義

南極クルーズ中の講義

南極クルーズ

講義の日本語同時通訳

【野生のペンギンたちの生きていく、親子愛を感じさせる姿に感動】

南極に着いたら、まずはペンギン達の生活の様子が印象的です。

クルーズ船からゾディアックボートに乗り換えて陸地に近づくとペンギンたちの営巣地の独特の匂いがしてきます。ここで生まれ子供を育てる場所ですから野生の匂いがするのも当たり前。日本の動物園で見るペンギンとの違いを強く感じる瞬間です。慣れてくるとクルーズ船の甲板にいてもこの匂いで営巣地があることを知るほどです。上陸すると、すぐ側で沢山のペンギン達が生活しています。この時期の南極半島で見ることができるペンギンの種類はゼンツーペンギンやアデリーペンギン、ヒゲペンギンの主に3種類です。

ペンギン

ゼンツーペンギンはとにかく数多く生息していて、みんなで固まって過ごしているのが印象的です。南極半島を代表するペンギンで、忙しなく鳴くことは耳に響きます。2月はまさに子育てもクライマックスを迎えていて親子で追いかけっこしているのは大体このペンギンです。雛鳥の羽毛が成鳥の羽に生え変わる最中の様子が良くわかる時期でもあります。猟を終えて巣に戻ってきた親鳥の口の奥深くに雛がくちばしを突っ込んでオキアミを口移しで食べる姿はまさにザ・野生です。

アデリーペンギンは小型で、顔が細く鋭い形、頭は少し三角形と愛くるしい姿です。他のペンギンより子育ての時期が早いため2月になると既に海に帰ったものも多く、そんなに多くの数を見ることは出来ません。

ヒゲペンギンは顔に顎ヒゲが生えているように見えるので和名ではそのように呼ばれますが、英語ではチンストラップペンギン、つまり顎紐ペンギンと呼ばれます。髭より顎紐の方が可愛く感じます。非常に好奇心が強くゼンツーペンギンの営巣地にわざと入り込んで、かき乱す姿を見ることもあります。人にも近寄ってきます。

ゼンツーペンギン
ペンギン

野生のペンギンは動物園のペンギンとは迫力が全然違います。別の生き物と言っても良いでしょう。

いつ自分が天敵の餌になるかわからない世界で生きています。海の中ではペンギンを捕食する動物達が待ち構えていて、実際にペンギンが捕食されるシーンを目の当たりにもしました。まさに生きるか死ぬかの厳しい生活です。トウゾクカモメ(盗賊鴎)が小さい雛のペンギンを連れ去ろうとして、親鳥たちが戦いを挑むという野生の光景を見ることもあります。

ペンギン

親鳥を呼ぶ雛

ペンギン

親鳥から餌をもらう雛

親子の教育も見ることができます。親ペンギンが雛ペンギンにわざと餌を与えずにその場から逃げていき、それを雛ペンギンが追いかけることで運動能力が鍛えられるのです。また、まさに子の成長を見る瞬間もあります。親が雛を残して海に飛び込み、雛が親を追いかけて海に飛び込む巣立ちの時です。

ペンギン

南極条約でペンギンの5m以内に近づくことは禁止されていますが、ペンギンは人を恐れることはなく、ペンギンの方から近寄ってくることがあります。そんな時は絶好のシャッターチャンスです。

【念願の上陸に感動】

南極に港はありませんから上陸するにはクルーズ船からゾティアックボートに乗って陸地に向います。波が高い場合は様子を見たり、場所を変えたりしますから安全は確保されています。乗船下船はスタッフがしっかりサポートしてくれます。それでも船の上ではしっかりと固定ロープを握っておくことは重要です。少し波が高い時は濡れることもあります。

ゾティアックボートはエンジン付きのジェットボートで、かなりの速度で疾走します。顔には南極の海風があたり、天候によってはかなり寒くも感じます。ただし、乗船時間は陸地に向う場合でおよそ5~10分程度。凍えたり船酔いする心配はございません。

大陸に乗り付けて、ガイドが南極の旗を持って迎えてくれます。石や荒い砂浜があり、上陸地点に夏の季節は氷はありませんから安心です。上陸した後は雪山をのぼったり、丘にのぼったりして自由に楽しみます。座って景色を楽しむのも良い時間です。沖合に浮かぶ我らが母船のオーシャンエンデバーや氷河の風景も絶景です。風は時に無風、そして時に少し強く冷たく日本の冬を思わせます。

写真が好きな人はペンギンやカモメなどの鳥達やアザラシなど動物たち、今まで見てきた氷河とはサイズが全く異なる氷河、運が良ければ氷河が崩れ落ちる瞬間の写真を撮ることができます。南極に行ったら誰でも写真好きになる。それほど南極は他とは違う風景に満ち溢れています。

南極上陸

南極上陸!

南極上陸

ゾディアックボートから上陸

南極上陸

海岸を歩けばクジラの骨が打ち上げられて野生を感じる場所もあり、今でも現役や嘗ての南極観測基地も訪れます。

旧イギリス基地のポートロックロイの内部は博物館のようになっていて無線装置や観測機器とともに隊員が生活した寝室も公開されています。長期間にわたって家族や恋人と遠く離れて仕事をしていた彼らが何を考えていたかは壁に描かれた絵でも分かります。どんな絵なのかは現地でご確認ください。また、ここにはお土産屋と郵便局もあります。南極ならではのお土産を買ったり、日本への絵葉書を南極から出すことは一生の思い出になります。絵葉書がいつ日本に着くかもお楽しみです。

南極上陸

南極上陸

クルーズ船と上陸

南極上陸

観測基地に入れることも

ポートロックロイ基地 観測室

ポートロックロイ基地 観測室

ポートロックロイ基地

ポートロックロイ基地 寝室

【青の世界の神秘とそこに生きる生命の力に感動】

南極では上陸に加えてゾディアックボートに乗ってクルーズも楽しみます。陸地に広がる美しい氷河や海に向かって流れ込む氷河は真っ白で光によっては青く輝きます。そのサイズはこれまで見てきた氷河を全く問題にしないほど巨大です。海に浮かぶ海氷は小さな氷から、蓮の葉氷、さらに巨大な流氷と様々です。海面の上に出ているのは氷全体の10%程度で、残りの90%は海の中。如何に氷山が巨大なものかが分かります。氷山にはいくつもの線が刻まれています。徐々に解けて行く過程でバランスが変わり、かつての喫水線を表しています。時には雷が落ちるような音で氷河が海に崩れ落ちる瞬間や、氷山がバランスを変えてをひっくり返る姿も目の当たりにします。

クルーズでは動物たちも見逃せません。氷山の上にはカニクイアザラシやそれを捕食するヒョウアザラシがなどが昼寝しています。ゾディアックボートは本当に彼らと目が合うほどの距離にまで近づいてくれます。

乗船時間は1時間を越しますからパルカの下にはしっかりと温かい服を着ておきます。波が高い状態でのクルーズは行われませんから船酔いすることもまずありません。

 

ゾディアッククルーズ

ゾディアッククルーズ

ゾディアッククルーズ

アザラシなどを観察

アザラシを見ても南極の生活の厳しさを感じることができます。

例えば、カニクイアザラシの体にはヒョウアザラシに襲われた傷が殆どの場合で残っています。ヒョウアザラシは南極の生態系のトップで、蛇のように口が吊り上った顔でペンギンやカニクイアザラシを捕食する南極の帝王です。

ゾディアッククルーズ

ヒョウアザラシ

ゾディアッククルーズ

カニクイアザラシの腹に残る傷跡

南極の海でアザラシやペンギンの他に、クジラを間近で見ることは珍しいことではありません。ミンククジラやザトウクジラが泳いだり、大きなジャンプ(ブリーチング)をしたり、突然海面から大きな口を広げて魚を一気に食べるバブルフィッシングする姿は大迫力。

彼らとの距離は時に潮を吹く息吹が間近で聞こえるほど。

子供と一緒に泳いでいるクジラを見かけることもあります。クジラとの至近距離での遭遇はペンギンと並んで南極のハイライトの一つです。

ゾディアッククルーズ

バブルフィッシングするザトウクジラ

ゾディアッククルーズ

ブリーチング

風景もやはり最高。まさに手つかずの自然美が広がっています。美しい山と氷河、そして海氷が流れる風景が楽しめる「ルメール海峡」は南極で最も美しいと言われます。また、天候が良ければ入江の全体が氷河に囲まれた「パラダイスベイ」も見所です。

本船でルメール海峡を通過

ルメール海峡へ

迫る絶壁ルメール海峡

ルメール海峡通過

氷河が流れ込むパラダイスベイ

パラダイスベイクルーズ

パラダイスベイをクルージング

パラダイスベイクルーズ

ツアーガイドメモ

【ストレスの少ない南極クルーズの船旅を選ぼう】

今回ご紹介した旅では南極に100回以上行ったことがあるガイド通訳が案内しますので南極の知識を日本語でたっぷり頭に入れてから観光ができます。南極を案内する日本人として最高の通訳で、通訳するだけではなくご自身に大変な量の知識をお持ちです。日本の方ですから我々に分かり易い、また馴染みやすい情報を混ぜてくれるのも嬉しいです。

 

南極大陸には100人しか上陸できないので大型クルーズ船のツアーでは順番待ちの長時間の待ち時間、短い上陸時間にストレスを感じますが、小型のクルーズ船で200人の旅で、クルーズと上陸を交代制で楽しみますから基本的に待ち時間なしで、しかもたっぷりと上陸時間が確保されています。上陸&クルーズは午前午後で1セットずつの1日2回。4日間の南極半島滞在中に合計8回という充実度は他の南極クルーズにはない特徴です。

 

クルーズを行うアメリカのクオークエクスペディション社は南極クルーズをはじめとした極地クルーズ専門の会社。世界で唯一無事故表彰をもらっている会社で安心の航海を楽しむことができます。

最大200名が定員

※手袋、靴下、帽子は厚めの物を2セット以上用意してください。なぜなら午前中の観光で濡れてしまった場合に、午後から行くときに替えがきくようにです。靴は現地で長靴を貸してくれます。

 

【ちょっとしたお楽しみの時間】

旅の中ではお楽しみの南極海飛び込み大会が大陸を離れる前日の夕方にあります。体にロープを巻きつけて南極海に飛び込むという度胸試しです。飛び込む前は冷たさばかりが気になります。氷が浮かんでいる海ですから水温はゼロに近いのですから。

いざ、飛び込んだ瞬間はそこが海だったことを思い出させます。寒さよりも先に塩辛い水の味が印象的です。もちろん水はかなり冷たいです。海に入っている時間は10秒足らずで、海から上がると暖かい船のプールが待っています。日本人はあまり挑戦しない人が多いようですが、欧米からの参加者はまさに老若男女是。失礼ですがかなりお年を召された女性も元気に飛び込んでいます。

皆さんも水着を用意して是非記念にトライしてみてください。

南極海 飛び込み大会

南極海 飛び込み大会

南極海 飛び込み大会

南極海を泳ぐ

いかがでしたか?南極への旅行は一昔前では考えもできないことでしたが、今では多くの方が訪れることが出来る場所になりつつあります。とはいえ、道中はやはり遠く気軽に行ける観光地というわけにはいきません。それだけに旅人は南極に憧れ、一度は行ってみたいと思うのでしょう。私もその一人でした。 来年もまた南極に行こうと計画しています。次はどんな南極に出会えるのか今から楽しみです。