知ってみると面白い!南極の歴史

知ってみると面白い!南極の歴史

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ネイチャーガイドの今長谷です!

南極と言えば、誰もが知る氷の世界です。
南極と言って、どんな場所かイメージできない人はほとんどいないでしょう。
しかし、南極がどのようにできて、誰がどのように発見したのかについて知っている人は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、南極の歴史について解説します。
意外と知らなかった南極の面白い歴史も合わせて紹介します!

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南極大陸発見までの歴史

南極大陸が発見されるまでには、様々な歴史があります。ただ、現在でさえも南極大陸を一番最初に発見した人については、ハッキリとしていません。では、どのように南極が発見されたのでしょうか。南極大陸発見までの歴史について解説します。
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近代的の歴史の話に入る前に、実は大昔からその存在は語られていたようです。頭が良い人はいるものです。紀元前4世紀のアリストテレスは地球という星のバランスから北半球にこれだけ陸地が集中しているなら、南半球にも未知の大陸があるはずだと唱えています。この予言が近代になって人々を南へ南へと突き動かしています。

南極の一歩手前で行ったジェームズ・クック

南極を発見した人の前に、ぎりぎりの所で南極大陸を発見できなかった『ジェームズ・クック』という人物について解説します。
古くからヨーロッパでは、北半球に比べて南半球には陸地が少ないことから、「まだ見つかっていない大陸がある」と考えられていました。
そこで、多くの探検家は、未知の大陸を探すための航海に乗り出します。
そのなかで、最も南極大陸に近づいたのが、イギリスの探検家『ジェームズ・クック』です。
彼は、1772~1775年の航海で南極圏まで船を進めましたが、後一歩のところで大陸を見つけることができませんでした。
明らかになっている情報によると、南極大陸からわずか130kmまでの所まで到達していたそうです。

南極大陸を最初に発見した人は?

南極大陸を最初に発見した人は、以下の3人だと言われています。
・イギリスのブランスフィールド
・アメリカのパーマー
・ロシアのベリングスハウゼン
しかし、3人のうち、誰が一番最初に南極大陸を発見したのかは、定かになっていません。
なぜなら、当時は、ただの氷の塊なのか、陸地であるのかわからなかったからです。
そのため、現在でも一番最初に南極を発見した人が誰なのかはわかりません。
ただし、南極に初めて上陸したのは、アメリカのアザラシ漁師であり探検家の『ジョン・デイビス』だと言われています。

南極点に初めて到達したのは?

南極点に初めて到達したのは、ノルウェーの探検家『アムンゼン』と言われています。
1911年頃、ノルウェーのアムンゼンとイギリスのスコットは、いずれも南極点を目指していましたが、その競争に勝利したのがアムンゼンです。
アムンゼンが南極点に立ったのは、1911年12月14日で、スコットが南極点に到達したのは1912年1月17日でした。
ちなみに、日本人で初めて南極点に到達したのは、白瀬 矗(しらせ のぶ)という人物です。

南極条約の歴史

南極の歴史のなかで、知っておくべきなのが南極条約の歴史です。
南極条約とは、南極の平和的利用についての条約で、1959年に定められました。
南極条約が定められた理由は、南極の領土をどこの国のものにするか決める必要があったためです。
そこで、南極はどこの国の領土でもないとする「南極条約」が結ばれました。
1882年~1958年までの3回の国際極年を経て、1959年に日本、アメリカ、イギリス、ソ連などを含む12カ国が採択し、現在では50カ国以上が参加しています。
条約の概要は、以下のとおりです。
・南極地域の平和的利用(軍事的利用の禁止)
・科学的調査の自由と国際協力
・南極地域における領土主権、請求権の凍結
・核爆発、放射性廃棄物の処分の禁止
・条約の遵守を確保するための監視員の設置
・南極地域に関する共通の利害関係のある事項についての協議の実施
・条約の原則および目的を促進するための措置を立案する会合の開催
現在も、南極大陸はどこの国の領土でもありません。
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南極条約も大事ですが忘れてはならないのが南極は野生動物の乱獲で大きく影響を受けた時代があります。
19世紀から20世紀、多くのクジラが数を減らし、クジラの後にはアザラシが狙われました。さらに各国は領有権も主張したのです。

今、南極は南極条約で守られていますが、領有権は棚上げされただけ、凍結されているだけなのです。

日本の南極観測の歴史

日本の南極観測の歴史についても触れていきましょう。
日本では、1956年に第1次南極地域観測隊を派遣し、昭和基地を開設して以来、国の事業として継続して南極観測を行っています。
現在の日本は、昭和基地、あすか基地、みずほ基地、ドームふじ基地を拠点として、南極の観測を続けています。
また、南極観測の歴史として知っておきたいのが、タロとジロの話です。
タロとジロは、日本による初期の南極地域観測隊に同行した、樺太犬の兄弟。
当時、南極に取り残されながらも、1年生き延び、救出されました。
奇跡の生存として、現在でも語り継がれ「南極物語」として映画にもなっています。

昭和基地の歴史

日本の南極観測基地として有名なのが、昭和基地です。
以下は、昭和基地の歴史を年表にまとめました。
・1957年…昭和基地と命名され、建設が始まる
・1959年…「宗谷船内郵便局昭和基地分室」が基地内に置かれる
・1962年…南極観測が中断され、昭和基地を一時閉鎖
・1965年…南極観測の再開
・1973年…国立極地研究所の観測施設となる
・1978年…基地内に南極放送局を開設
・1979年…世界初の南極からの衛星中継を実施
・2003年…基地内にNHK南極ハイビジョン放送センターを開設
・2004年…朝日新聞の南極支局が開設

現在も、昭和基地での南極観測は続けられています。

南極の意外と知らない歴史

南極クルーズ船|南極・南極上陸クルーズ旅行@ブループラネットツアー
南極と言えば氷で覆われた場所ですが、過去には緑もあったと言われています。
その他、現在ではペンギンやクジラなどの動物観察がメインになっていますが、なんと、南極にも恐竜がいたとされているのです。
このような古い歴史については、知らない人も多いでしょう。
以下で知ってみると面白い意外な南極の歴史を紹介します。

南極大陸が今の形になったのはいつ?

南極大陸は、はるか昔、2億年前ほどは、アフリカやアメリカ、インドやオーストラリアと共にゴンドワナ大陸を形成していたと言われています。
しかし、1億8000万年前頃からゴンドワナは徐々に分裂。
現在の南極大陸のように独立したのは、約2000万年前だそうです。

元々南極には緑があった?

今では一面氷の世界の南極大陸ですが、元々は、緑で覆われていた場所だったそうです。
寒冷化が始まる前までは、多くの動物も生息していたと言われています。
また、当時の気候は温暖だったそうです。

南極にも恐竜が生息していた!?

上記で解説したように、南極は元々緑で覆われていた自然が沢山の場所で、多くの生物が生息していました。
恐竜も例外ではありません。
実際に、南極では恐竜や植物の化石が見つかっています。
恐竜がいた時期は定かではありませんが、温暖な気候であった2億3000万年前頃から6500万年前頃の間に恐竜がいたとされています。

南極の氷はどのくらい古くからあるの?

これまでに採掘された南極の氷で、最も古いものは80万年前の氷です。
2004年にヨーロッパ連合がドームC基地で、3270mの深さから採取しました。
日本のドームふじ基地では、2007年、3035mの深さから72年前の氷を採取しています。
今後、さらに古い氷の採取にも期待できます。

南極の歴史は奥が深い!

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南極の様々な歴史について解説しましたが、実際には、今でも定かになっていない情報が沢山あります。
元々は緑で覆われていた場所だったとされていますが、なぜそのような場所が氷に覆われるようになったのかという理由については、専門家によって意見が分かれているそうです。
ただ、これだけ深い歴史があるというのは、一種のロマンとも言えます。
南極大陸に足を踏み入れたその氷の下には、何万年も前の氷があるかもしれませんし、恐竜の化石があるかもしれません。
このような歴史を知ると、南極を見る目が少し変わり、さらにツアーなどを楽しめるようになりますね。
ぜひ、今後南極観光を検討されている人は、事前知識として歴史を少し理解した上で、色んな観点から南極を楽しんでください。

Auther: ネイチャーガイド 今長谷 啓享

自分が行って楽しいと思える旅じゃないと作らない!というポリシーで現地調査・企画・手配を行い、現地の案内まで、ネイチャーガイドとして体験型で少人数のくつろぎの旅を提供。北極圏から南極大陸まで、歴史と文化に溢れる世界遺産からヨーロッパや南米アンデスの山々まで、海外への渡航歴200回以上、パリやベルギーにも駐在経験のある旅人。元山岳ガイドの経験も活かし「自然や世界遺産が好きな方々を体験型で少人数のくつろぎの旅の世界」へ今も日々案内中。