南極にある観測基地一覧|観測基地って何をする所?
ネイチャーガイド今長谷
ネイチャーガイドの今長谷です!
南極には、世界各国からいくつもの観測基地があります。
しかし「そもそも観測基地って何をしてるの?」と思う人もいるでしょう。
そこで今回は、南極観測基地の役割や、観測基地一覧を紹介します。
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南極基地の役割
南極観測基地の主な内容は、気象観測や生物、地質・地形の研究です。
しかし、気象観測や生物、地質・地形の研究が行われ始めたのは、なんと100年以上も前からと言われています。
100年以上も前からあると聞くと「100年も研究する必要があるのか?」と思うかもしれません。
まさにそのとおりで、現在も気象観測などは行われていますが、少しずつ観測基地の役割は増えています。
昨今では、国家間で情報をしながらの研究の他、観光客の増加に伴って観光地としての役割を担う基地もあります。
日本が所有している南極観測基地
南極大陸には、日本が所有している基地が4つあります。
- 昭和基地
- ドームふじ基地
- みずほ基地
- あすか基地
4つの基地のなかでも、最も有名で一番古いのが、昭和基地です。
また、有人基地として使用されているのは、昭和基地とドームふじ基地の2つ。
みずほ基地は、ドームふじ基地へ向かう中継地点として使用され、あすか基地は、無人の気象観測基地として使われています。
観測基地には夏隊と冬隊がいる
観測基地には、常に決まった隊員が常駐しているわけではないのです。
一定期間で「越冬交代」という人員の入れ替えが行われています。
なかには、冬を超えずに数カ月間しか滞在しない隊員もいるそうです。
そして、冬を超えない、夏だけの期間に滞在する隊員を「夏隊」。
1年を通して冬も超える隊員を「冬隊」と呼びます。
夏隊と冬隊の大きな違いは、どれだけの期間滞在するかという部分もありますが、冬隊は基本的に昭和基地やドームふじ基地に滞在します。
対して、夏隊は野外にある観測小屋で生活をすることもあるそうです。
観測隊の役割
観測隊になるメンバーのほとんどは研究や観測、実験を目的としています。
しかし、観測基地で数カ月以上も生活していくには、様々なサポートが必要です。
例えば、食事や電気、水道などのライフライン、衛生設備など。
このような生活のサポートをするための「設営部門」と呼ばれる人員も配置されます。
南極観測基地一覧
南極観測基地一覧を紹介します。
国別で以下にまとめました。
【フィンランド】
- アボア基地
【ウクライナ】
- ベルナツキー基地
【アルゼンチン】
- アルミランテ・ブラウン南極基地
- ヘネラル・ベルグラノII基地
- エスペランサ基地
- ジュバニー
- マランビオ基地
- オルカダス基地
- サン・マーチン基地
【アメリカ合衆国】
- アムンゼン・スコット基地
- マクマード基地
- パーマー基地
- プラトー基地
【ロシア】
- ベリングスハウゼン基地
- ミールヌイ基地
- マラジョージナヤ基地
- ノボラザレフスカヤ基地
- プログレス基地
- ボストーク基地
【チリ】
- ヘネラル・ベルナルド・ヒギンス基地
- エドゥアルド・フレイ・モンタルバ基地
- カピタン・アルツロ・プラット基地
- プロフェッサー・ジュリオ・エスカデロ基地
【オーストラリア】
- ケーシー基地
- デービス基地
- マックォーリー基地
- モーソン基地
【ブラジル】
- コマンダンテ・フェラス基地
【フランス】
- デュモン・デュルヴィル基地
- コンコルディア基地
【イタリア】
- コンコルディア基地
- マリオ・ズッケリ基地
【インド】
- ダクシンガンゴトリ基地
- マイトリ基地
【スペイン】
- ガブリエル・デ・キャスティラ・スパニッシュ南極基地
- フアン・カルロス1世スペイン南極基地
【ウルグアイ】
- ヘネラル・アルティガス基地
【ドイツ】
- ゲイルグ・フォン・ノイマイヤー基地
- ノイマイヤー基地
- ノイマイヤー基地III
【中国】
- 長城基地
- 中山基地
- 崑崙基地
- 泰山基地
【イギリス】
- ハリー研究基地
- ロゼラ研究基地
【ポーランド】
- アルツトウスキー基地
【韓国】
- 張保皐基地
- 世宗基地
【パキスタン】
- ジンナー南極基地
【ルーマニア】
- Law-Racovita Station
【ペルー】
- マチュ・ピチュ研究基地
【チェコ】
- メンデル極地基地
【ベラルーシ】
- マラジョージナヤ基地
【南アフリカ】
- SANAE
【ブルガリア】
- オフリドの聖クリメント基地
【ニュージーランド】
- スコット基地
【スウェーデン】
- スヴェア
- ワサ基地
【ノルウェー】
- トロル基地
【ベルギー】
- プリンセス・エリザベス基地
こんなに各国の基地が南極に設営されているんです!驚きですよね。
ちなみに日本はというと
【日本】
- あすか基地
- ドームふじ基地
- みずほ基地
- 昭和基地
日本の基地も、メジャーな昭和基地以外にもあるんですよ~
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かつては英国の基地だったポートロックロイは今は博物館として南極を訪れた人に公開されています。必ずしも十分とは言えない設備の中で極寒の南極を過ごしていた苦労がよくわかります。家族と遠く離れた隊員たちの気持ちが直に伝わるものも残されていますよ。また南極からの手紙を出したり、ここならではの物があるお土産屋もあります。
日本の南極観測基地の功績
日本の南極観測基地では、これまでいくつかの功績をあげています。
とくに世界的な発見として注目されたのが、以下の2つです。
- 隕石の発見
- オゾン層の発見
今では当たり前に使われる「オゾン層」という言葉も、日本の南極観測基地によって発見されたものなのです。
それぞれの功績について、具体的に解説します。
隕石の発見
隕石を発見したのは、昭和基地から約300km離れた、氷しかないやまと山脈の付近です。
そこで、9個の石が落ちているのを隊員が偶然発見。
地質学の専門家が拾ったことで、すぐに隕石だとわかったそうです。
その後、日本の南極観測基地では、約1万7000個以上の隕石を発見しています。
この数は、アメリカに次いで世界第2位です。
今では展示物などで当たり前に隕石を見られますが、隕石を見れるようになったのも、南極観測基地のおかげなのです。
オゾン層の発見
オゾンホールとは、オゾン層が薄くなっている場所を指します。
このオゾンホールは、1982年、日本の起床研究所が南極上空のオゾンが減少しているのを発見したことで、幅広く認識されるようになったと言われています。
発見当時はオゾンが破壊されてしまう原因の特定はできませんでしたが、後にアメリカの研究者によって、オゾンが破壊される原因が解明されました。
そのため、ノーベル化学賞の受賞に至ったのは、アメリカの研究者です。
しかし、元々オゾンホールを見つけたのは日本の南極基地なので、日本の功績も大きいと言えます。
南極観測基地では宇宙を知れる
実際に、南極観測基地の研究の一つは、宇宙の研究と言われています。
これは、南極がオーロラを始めとした、宇宙圏現象が多くみられる地域であることや、隕石が多く発見される特徴があるためです。
そのため、南極は「宇宙に開いた窓」とも呼ばれています。
南極は宇宙のロマンさえも感じられる場所
ネイチャーガイド今長谷
南極観測基地では、常に南極大陸の研究が続けられています。
研究を続けることで、数万年、数億年前の氷や、当時の歴史を知る手がかりになる発見があるかもしれません。
さらに、解説したように、宇宙を知る手がかりも隠されているのです。
ただし、このような研究を着実に進めていくには、観光者のマナーも守っていかなければいけません。
観光者が南極を荒らしてしまえば、生物などの研究に不具合が起こります。
今後の様々な発見のために、地球に暮らす人々、全員で南極大陸を守っていきましょう。