南極旅行に行く前に知っておきたい生息動物一覧

南極旅行に行く前に知っておきたい生息動物一覧

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ネイチャーガイド今長谷

ネイチャーガイドの今長谷です!

南極には様々な動物が暮らしています。
どの動物も自然のなかで生きてきた動物なので完全に野生動物たちの世界です。
そんな野生の動物を見るために、南極観光へ行く人もいるでしょう。
そこで今回は、南極にいる動物を紹介します。
南極観光に行く際はどれだけ多くの動物と出会えるかどうか、ぜひチェックしてくださいね。

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南極に生息するペンギンたち

南極クルーズ船|南極・南極上陸クルーズ旅行@ブループラネットツアー
南極で一番人気の高い動物と言えば、やはりペンギン。
訪れる時期は陸地で生活していますので、間違いなくお目にかかれる動物です。
ペンギンは集団で暮らしているので、ペンギンの生活をたっぷり見ることができます。
以下では、南極地域に生息するペンギンの種類を紹介します。
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ペンギンは基本的には海で生活する海鳥です。ではなぜ陸上に?
彼らの目的は一言で言えば繁殖です。つがいになり、卵を産み、雛を育てる。そのために彼らは南極の夏に姿を現します。
1種類を除いて・・

まずは南極大陸で見る4種類

コウテイペンギン

別名、エンペラーペンギンとも言われるコウテイペンギン。
全長115~130cm、体重は20~45kgと言われています。
見た目はキングペンギン(オウサマペンギン)と似ていますが、より大きな体長です。
いきなり例外ですが、生活圏も繁殖の時期も他のペンギンと違い真冬に雛を育てます。
捕食者に襲われる危険性は少ない彼らの最大の敵は冬の猛烈な寒さです。

アデリーペンギン

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体長60~70cm、体重5kgほどの小型のペンギン。
目の周りに白いアイリングがあり、クリっとした目が可愛らしいです。
ちなみに、種名は、1840年に南極に上陸した探検家『デュモン・デュルヴィル』の妻、アデリーヘの献名で、彼が上陸した場所をアデリーランドと名付けたために、そこで発見されたこのペンギンにも、アデリーと名付けられたそうです。
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私はこのアデリーペンギンが好きです。日本人が持つペンギンのイメージそのものの愛くるしい姿。それもそのはず! 鉄道会社のSUICAや大手ガム会社のパッケージに描かれているのが何を隠そうこのアデリーペンギンです。

ジェンツーペンギン

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南極大陸では最も数が多いのがジェンツーペンギンです。
これを見ずに南極を去るのは困難なほど!
アデリーペンギンの仲間で、両目をつなぐ白い帯が特徴です。
体長は51cm - 90cm、体重は5kg - 8.5kgほどで、ペンギン18種類のうち3番目の大きさ。
また泳ぐのが得意で最高時速は時速35kmにも達します。

ヒゲペンギン

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ヒゲペンギンは、アデリーペンギン属に分類されるペンギンの一種です。
体長は70~75cm、体重4~7kgほどの中型ペンギン。
顎の下に黒い羽毛の線が走っていて、まるでひげのように見えることから、ヒゲペンギンと呼ばれています。英語ではチンストラップペンギン、つまりアゴヒモペンギンですね。
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私のヒゲペンギンのイメージはいたずら者。偶然かもしれませんが他の種類のペンギンの巣に入り込んで、大騒ぎになっているシーンを何度も見た気がします。

南極地方で見られるペンギンたち(南極大陸にはいません)

マゼランペンギン

鳥綱ペンギン目ペンギン科ケープペンギン属に属する鳥類で、別名パタゴニアペンギンと呼ばれるのが、マゼランペンギン。
体長は約65~72cmの中型。
南極に行く前のパタゴニアなどで観られます。
繁殖期は攻撃的になりやすいので、近づかないように気を付けましょう。

キングペンギン

コウテイペンギンに次ぐ大形種。
「キング」という名前から、オウサマペンギンとも言われています。
コウテイペンギンより一回りほど小さく、体長は95cmほどの小型です。
亜南極と呼ばれる南極大陸から離れた島々で観ることができますが、南極大陸で観ることはありません。サウスシェットランド諸島の大営巣地は有名です。

マカロニペンギン

ごくまれに南極大陸で見ることもあるようですが、基本的にはこちらも亜南極地方に住むペンギンです。
目の上に生えたオレンジ色の羽が特徴的なペンギン。
体長は約70cm。体重は5~6kg程度の小柄なペンギンですが、とても見た目がかっこいいです!
ちなみに諸説ありますが、「マカロニ」とは18世紀のイギリスの言葉で「伊達男」の意味を持つそうです。

イワトビペンギン

こちらも南極大陸で見ることはありませんが、亜南極から南大西洋の温帯地方まで広い範囲に住むペンギンです。
頭部にある黄色の飾り羽が特徴的なペンギン。
体長は約50~58cmで、マカロニペンギンなどの近縁種のなかでは、最も小型とされています。
また、地上では、他のペンギンのように歩かずに、両足を揃えて飛び跳ねながら移動します。

南極に生息するアザラシたち

南極には、様々なアザラシも生息しています。
のんびりしているように見えるアザラシは、見ているだけで癒されること間違いなしです。
以下では、南極に生息するアザラシの種類を紹介します。

カニクイアザラシ

灰色の体毛で覆われている、いわゆるアザラシとしてイメージしやすいアザラシです。
世界中で最も個体数が多いアザラシで、約3千万~7千万頭いると言われています。
昨今では、クジラの減少によってアザラシに餌が行き渡りやすくなったため、さらに個体数が増えているそうです。
南極大陸の各地にいるので、カニクイアザラシを観測できる可能性はほぼ100%。
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カニクイアザラシって名前は憶えやすいですが、カニを食べることはありません。ペンギンたちと同じく大型の動物プランクトンであるオキアミが彼らの主食です。

ヒョウアザラシ

名前のとおり、ヒョウのようなどう猛さを持ち合わせているアザラシです。
南極のアザラシのなかでは、唯一の捕食者と言われています。
群れなどには属さず、単独で生活するアザラシですが、我々の前には頻繁に姿を現します。
なかには獲物を襲う姿を見ることも!

ミナミゾウアザラシ

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ミナミゾウアザラシは、大型哺乳類動物で、世界最大のアザラシと言われています。
その大きさは、北極のセイウチ以上で、雄は体長6m、体重は約4t。
雌は、体長3.6m、体重は約1tと言われています。

ウエッデルアザラシ

ウエッデルアザラシは、比較的数の多いアザラシです。
体長は約2.9mで、体重は400~450kg。
ウエッデルという名前は、1820年、イギリスのアザラシ狩りの隊長「ジェームズ・ウェッデル」に由来していると言われています。

南極に生息するクジラたち

ペンギン、アザラシときたら、次に見たいのがクジラではないでしょうか。
もちろん、南極にはクジラも生息しています。
以下で、南極に生息するクジラの種類を紹介します。

ミンククジラ

ヒゲクジラ亜目に属するクジラの一種であり、ナガスクジラ類で一番小型なのが、ミンククジラです。
体長8m~10m、平均体重は6~8t。
小型とは言っても、クジラなのでやはり大きさも体重もあります!
大きな背びれや補足尖った鼻など、いわゆるイメージするクジラとはちょっと異なるクジラです。

ザトウクジラ

ザトウクジラ|南極のクジラ|ゾディアッククルーズ|南極クルーズ船|南極・南極上陸クルーズ旅行@ブループラネットツアー
ザトウクジラは、体長約13~15m、体重はなんと30tもあるクジラです。
南極で最も見るチャンスが多い種類になります。
因みに日本にも多く生息していますが、毎年12月~4月あたりであれば、日本でも見られる可能性があります。
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ザトウクジラは日本でも見られるとは書きましたが、少し違います。実は北半球に住むザトウクジラと南半球に住むザトウクジラは別々の世界で生きています。なぜなら北半球と南半球は季節が逆なので回遊するシーズンも逆転しています。彼らが出会うことは決してありません!

南極に生息するその他の動物一覧

南極の代表的な動物「ペンギン」「アザラシ」「クジラ」を紹介しましたが、その他にも南極には沢山の動物が生息しています。
以下では、南極で暮らす動物を紹介します。

鵜(ウ)科

鵜(ウ)科は、カツオドリ目に分類される科です。
全長45~101cmで、南極の他、温帯域や熱帯域の河川や湖畔にも生息しています。

ナンキョクオットセイ

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オットセイは、アシカ科の典型。
体長はオスで約2m、体重は110~230kg。メスで、体長1.4m、体重22~51kgと言われています。
ちなみに、オットセイと言えば、魚を食べるイメージですが、ナンキョクオットセイはオキアミを主食としており、魚はあまり食べません。

ナンキョクアジサシ

ナンキョクアジサシは、ナンキョクアジサシ科に分類される海鳥です。
似た名前の「キョクアジサシ」と見た目は似ていますが、キョクアジサシよりもずんぐりしているのが特徴。

サヤハシチドリ

サヤシハチドリは、海鳥の一種ですが、真っ白な見た目で、鳩にとても似ています。
南極の掃除屋とも呼ばれるその理由はペンギンなどが食べ残したオキアミや、カモメに襲われたお延銀の雛の死骸などを食べて南極をきれいにしてくれているからになります。

ナンキョクオオトウゾクカモメ

翼を広げると140cmほどにもなるカモメ科の鳥です。
頑丈で曲がったくちばしと、かぎ爪のついた足でペンギンを狙う捕食者。
普段はペンギンの集団繁殖地の近くに巣を作り、親ペンギンの隙を狙っています。

マユグロアホウドリ

名前のとおり、アホウドリ科に分類される鳥類の一種です。
全長83〜93cm、翼開長で230〜240cmもの大きさがあります。
現存数は200万羽以上と言われており、アホウドリ中最多です。
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シロクマって南極にいないの?

豆知識ですが、シロクマは南極にいません。
北極には、ホッキョクグマと呼ばれるシロクマが生息していますが、南極にはナンキョクグマと呼ばれる熊がいないのです。
カナダ・アルバータ大学の生物学者、アンドリュー・デロシェール氏によると、南米に分布するメガネグマをのぞけば、クマは北半球にしか存在しないのだそうです。
また、北極と南極が氷で繋がっていた時期もないことから、たまたま南極に生息していないだけと言えます。
実際に、もしホッキョクグマが南極に行ったとしても、問題なく暮らせるそうです。

動物好きにとってたまらない南極観光

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ネイチャーガイド今長谷

南極の動物は野生なので、むやみやたらに近寄らないようにしてください。動物を見るときは、遠くから双眼鏡などで彼らの生活を邪魔しないように注意しましょう。これはマナーの問題ではなく南極条約で決められたルールです。
例えばペンギンなら5m、アザラシなら10m以内に近づくことはできません。

南極は白い野生の王国。動物ウォッチングが好きな人にはたまらない大陸ですね!

Auther: ネイチャーガイド 今長谷 啓享

自分が行って楽しいと思える旅じゃないと作らない!というポリシーで現地調査・企画・手配を行い、現地の案内まで、ネイチャーガイドとして体験型で少人数のくつろぎの旅を提供。北極圏から南極大陸まで、歴史と文化に溢れる世界遺産からヨーロッパや南米アンデスの山々まで、海外への渡航歴200回以上、パリやベルギーにも駐在経験のある旅人。元山岳ガイドの経験も活かし「自然や世界遺産が好きな方々を体験型で少人数のくつろぎの旅の世界」へ今も日々案内中。

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