壮大な天体ショーを目撃せよ☆

今長谷
こんにちは!ネイチャーガイドの今長谷です。
このページを見ているあなたはきっと天体ショーに興味のあることでしょう!
今年はアメリカで観測が可能ですが、ここでは2017年8月にアメリカで観測した時のことをベースに、この壮大な天体ショーについて紹介したいと思います。
→2024年4月の皆既日食ツアー アメリカ・テキサス7日間の詳細はこちら
貴重な天体イベントである「金環日食」と「皆既日食」とは

今長谷
太陽と月、そして地球が一直線に並んだ時に現れるのが「皆既日食」と「金環日食」です。いずれも太陽の中に月の影が入り、太陽が隠れてしまう現象ですが、月の位置関係で太陽の欠け方に違いが生まれます。月がより地球に近い場合は見かけの月のサイズが大きくなるため、太陽は完全に月の影に入ってしまい、太陽の直接の光が届かない姿になります。この状態を「皆既日食」と呼びます。その一方、月がより太陽に近い場合は見かけの月のサイズが小さくなるため太陽は完全に隠されることはなく太陽の外周の光が月の周りから見える姿になります。この状態を「金環日食」と呼びます。

一生に一回?
実はそんなに見る機会がない世紀の天体ショーです。
2023年から2029年の7年間で世界で見られる日食は以下になります。
2023/10/14 金環日食 アメリカ、メキシコなど
2024/04/08 皆既日食 メキシコ、アメリカなど
2024/10/02 金環日食 南太平洋、チリ、アルゼンチンなど
2025/09/29 部分日食 北アメリカ東部
2025/09/21 部分日食 ニュージーランド、南極
2026/02/17 金環日食 南極
2026/08/12 皆既日食 グリーンランド、アイスランドなど
2027/02/06 金環日食 チリ、アルゼンチンなど
2027/08/02 皆既日食 スペイン、モロッコ、エジプトなど
2028/01/26 金環日食 ガラパゴス諸島、ペルーなど
2028/07/22 皆既日食 オーストラリア、ニュージーランドなど
2029/01/14 部分日食 北アメリカ
2029/06/12 部分日食 ロシア
2029/07/11 部分日食 チリ、アルゼンチンなど
2029/12/05 部分日食 南極
7年間で15回、そのうちの6回は部分日食で金環日食は5回、皆既日食は4回です。
いかに貴重な天体現象かがお分かり頂けたのではないでしょうか

ネイチャーガイド今長谷
7年間で世界中でたった15回。年に2回ペース、部分日食を除くとほぼ年に1回というペースです。
しかも、そのすべてが旅行で行けるとは限りません。ほとんどが海の上だったり、ホテルなどがない場所だったり。
努力してそのエリアに行けても、最後のハードルがあります。
待望の太陽が隠れる現象が始まっても雲があると何も見えません。
晴天率の高いエリアでないと空振りという悲しい結果もあり得るのです。日食は砂漠など乾燥地帯など特に天候が安定した場所で見ることが求められます。
チャンス自体が少なく、場所も限られる。
皆既日食や金環日食は一生に一度かも・・という理由はここにあります。
日食の数々の現象
10:15 いよいよ皆既日蝕の始まり
11:32 月が完全に太陽の輪郭に入る皆既状態の始まり
11:34 101秒間の皆既状態が終了
12:58 皆既日食が終了
意外に時間がかかる現象です。
しかし、徐々に欠けていく太陽の姿で興奮は増すばかりでした。

ネイチャーガイド今長谷
日食がピークに向かう間のお楽しみは木漏れ日です。とても不思議な現象ですが太陽が欠けていくにつれて木漏れ日の一つ一つが欠けた太陽の形になります。上ばかり見ていないで足元にも天体ショーが進行しています。

一つ一つの文字が欠けた太陽

欠けや太陽の形の木漏れ日
ついに現れた世紀の瞬間 すべてを忘れました

今長谷
僅か101秒間でしたが、その瞬間を忘れることは一生ないでしょう。
太陽の光の強さをこれほど感じることはありません。本当にその瞬間を迎えるまで、辺りが暗くなることはありませんでしたが、月が太陽を覆い隠したとき、一気に暗くなりました。街灯には明かりが点き、犬たちは遠吠えを始め、一気に冷たい空気が我々を包みました。あちこちから歓声が上がったのは言うまでもありません。
絶頂の時間の数々の現象

ダイヤモンドリング

プロミネンス

プロミネンス
やはり経験の浅さが出てしまった写真です。ピンが甘い!
せっかくプロミネンスの色が出てますが合ってませんね。
次回は!頑張ります。
そして天体ショーは終幕へ
我を忘れた101秒間でした。
10:15に始まり、12:58に終了した世紀の天体ショー
日食の楽しみ方
サングラスや煤(すす)を付けたガラスなど古典的な方法ではまちがいなく目を傷めます。望遠鏡などで観る人はいないでしょうがもちろん論外です。日食専用の日食メガネを必ず使いましょう。
日食の撮影

次回の日食はいつ?

今長谷
いかがだったでしょうか?
ぜひとも見てみたい日食ですが、次に日本で観ることができる日食は2030年6月1日の北海道(金環日食)、そして2035年9月2日の北陸~関東北部(皆既日食)となります。
但し、素晴らしい天体ショーも天気が悪ければ見ることはできません。全く雨が降らない砂漠のような地域に多くの観光客が日食を目当てに集まるのはそのあたりに理由があります。
2023年10月13日
アメリカのモニュメントバレー
雨が降らない砂漠での金環日食が待てます。