今長谷
ネイチャーガイドの今長谷です。世界最高峰のエベレストへの道。エベレスト街道と呼ばれるこのトレッキング道にある最大の村が「シェルパの里」とも呼ばれるナムチェバザール(標高3440m)です。エベレスト街道の出発点・ルクラから2日間歩いて到着する世界遺産「サガルマータ国立公園」内のヒマラヤに囲まれたナムチェバザール。エベレストなどエベレスト山群の登頂を目指す登山家には高度順応のために滞在するなど重要な中継地、エベレスト展望を楽しむハイカーにはここが主な目的地となります。名前の通り毎週土曜日には市場が開かれ地域の物産品の売り買いが行われます。街道最大の村なので、特にここ最近の発展は目を見張るものがあります。ナムチェバザールの見所を元山岳ガイドでネイチャーガイド的視点で写真満載でお届けします。
シェルパの里
ナムチェバザールの魅力
ナムチェバザールに到着
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2日間のトレッキングを終えてナムチェバザールに到着すると達成感とともにほっとします。このナムチェバザールの門がゴールです!
活気あふれるナムチェ 発展著しいナムチェ
ネイチャーガイド今長谷
これまでの村々とは雰囲気が一変!
電気が十分に引かれた村のメインストリートには、カラフルな電飾看板が客を誘うお店がずらりと並び、登山道具から日用品、お土産まで揃っています。もちろんカフェ、レストラン、ロッジも所狭しと建っています。なんとATMまで!ここは本当に道路も通じていないヒマラヤの村なのか、これだけの物資はどこから運び込まれたのかと感じずにはいられないほどの活気がある村です。着いたからと言って油断せず、標高が高いのでここでも「ビスターリ(ゆっくり)」をお忘れなく
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ハイカーにとっての目的地であるナムチェバザール。もちろん、エベレストを拝みに行くのは当然です。村から階段を一歩ずつ歩いてチョルクンの丘に登れば、待望のエベレスト、ローツェにアマダブラムなど世界百名山3座をはじめエベレスト山群(クーンブ山群)の名峰を拝む展望台があります。また、1953年5月29日にエベレスト初登頂に成功したニュージーランド人の登山家エドモンド・ヒラリーに同行したシェルパのテンジン・ノルゲイの像が建っています。
歴史博物館でシェルパ文化と登山の歴史を感じます
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ナムチェバザールにはヒマラヤの文化とエベレスト登山の歴史を伝える博物館・シェルパミュージアムがあります。一見するとお寺か民家のような建物ですが展示物は充実しています。
シェルパの民家を再現した展示エリアには台所や仏間が再現され、シェルパの暮らしぶりと信心深さが良く分かります。登山の歴史のエリアでは多くの著名の登山家の写真が並び、有名な探検家の上村直己氏や日本人女性として初めてエベレストに登頂した田部井淳子氏の写真も見ることができます。
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いかがだったでしょうか?
世界最高峰・エベレスト街道で最も有名な村「ナムチェバザール」。まずはここまで歩かないとネパールヒマラヤの絶景とシェルパ族の人々の暮らしぶりや歴史を知ることはできません。ここから先に行けばさらにエベレストが近づく村が点在していますし、有名なタンボチェ大僧院もありますが、施設などは厳しくなっていきます。さらに歩けばエベレストベースキャンプ、そしてエベレスト山頂へ。体力も技術も必要な登山家の世界へ繋がっています。一般のハイカーがエベレストをさらに楽しみたい場合は、この村を起点に訪れるコンデがお勧めです。次回は、そのコンデマウンテンとパラクピーク登頂をご案内したいと思いますのでお楽しみに!