マダガスカルの食文化から伝統文化|日本の生活との違い

マダガスカルの食文化から伝統文化|日本の生活との違い

マダガスカルの国は、過去にフランスの植民地であったため、様々な移民や入植者がいました。
多くの価値観や文化に対して、マダガスカルの国民は「独自の文化と併せ持つ」考えを持っています。
本記事では、マダガスカルの柔軟性の高い各文化について、紹介しています。
マダガスカルへの観光の際は、日本の文化と異なる部分を見つけてみると面白く感じるでしょう。

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マダガスカルの食文化

マダガスカルの食事は、様々な国の良さを取り入れた味や食材が多く使用されているため、世界の郷土料理ともいえます。
マダガスカルは、アフリカ文化の影響から平野部に牛飼いが多数いました。
家畜のほとんどが牛であるため、国内の流通肉は牛肉が大半であるとされています。
ここでは、マダガスカルの食文化について紹介しています。

マダガスカルは米が主食

マダガスカルの主食は、米です。
毎食、ご飯と香り豊かな野菜料理・肉料理が1枚の皿に盛られた「マダガスカルプレート」が提供されます。
ただし、ご飯は多め・おかずは少なめであることが特徴的です。
お米を炊く際は、分量の少ない水やココナッツミルクを使用しており、炊き上がりはパラパラとしています。
マダガスカルは稲作が盛んであるため、米の消費量は日本の2倍以上です。
もちっとした粘り気のある日本米とは、異なる部分が多いといえるでしょう。

マダガスカルの国民食「ロマザバ」

マダガスカルの国民食であるロマザバは、トロミのあるスープであり、ご飯にかけて食べられています。
古くからの伝統的な肉料理として有名です。
「ズブ」と呼ばれる牛肉を使用して、芋の葉・トマトなどの野菜を香辛料と煮込んで作られています。
マダガスカルの国内では、多様な種族がいることから、地域や家庭ごとに具材・香辛料が異なるため、様々な味を楽しめるでしょう。

マダガスカルの郷土料理「ラヴィトゥトゥ」

マダガスカルの郷土料理とも呼ばれるラヴィトゥトゥは、豚肉と玉ねぎなどの野菜を煮込んだものです。
キャッサバ(マニオク)の葉を臼で細かく引いて、豚肉を絡めてからご飯と食べられています。
ラヴィトゥトゥは基本的に豚肉を使用していますが、牛肉を代用して煮込む場合もあります。
また、肉に絡めるのはマニオクの葉に限定されており、マンゴーの酢漬けなどの付け合わせと一緒に食べるとひと味違うようです。
マダガスカル人がラヴィトゥトゥを食すと「これぞ郷土料理」と笑顔や喜びが見えます。

マダガスカルパスタ「ミサオ」

マダガスカルのパスタ料理であるミサオは、「炒めスパゲティ」を指している言葉です。
下味をつけた少量の野菜とパスタを炒めて、カレー粉の風味を付けた後に青ネギをかけて仕上げています。
塩味の強さとカレーの風味がマッチする中で、シャキッとした青ネギが良いアクセントを担っている料理です。
ミサオの多くは、カレー粉の風味を付けて提供されますが、地域や家庭によっては異なる味付けがあります。

マダガスカルの生活文化

マダガスカルの生活文化は、「環境に応じる」ことが基本であり、与えられた環境に自分たちが順応するスタイルです。
マダガスカルの生活文化について、詳しく解説します。

ビジネスはフランス式

チップ文化

マダガスカルには、チップ文化があるため、サービス利用後は対応をしたスタッフ・従業員へチップを渡します。
特に、観光客を対象にした場所に赴く場合は、必ずチップを用意しておきましょう。
チップを渡す場面は、ホテルのドアマン・各施設のポーター・飲食店の給仕・ドライバーなどから、サービスを受けた後が多いです。
渡すチップは、500~5,000アリアリ(1,500~15,000円)分が相場であり、レストランの従業員やドライバーなどには、高めのチップを渡すと良いでしょう。
ただし、大衆食堂などではチップ不要のため、頻繁に渡さないことも大切です。

早寝早起き

マダガスカルの国民は、太陽の動きに合わせた早寝早起きの生活が習慣になっています。
朝日が昇る朝の6時頃に目が覚め、日が沈む夕方5時頃までには食事を済ませて、就寝をすることが多いです。
マダガスカル国内で、十分な電気供給が行えていないことが大きく関係しています。
2021年時点で、マダガスカルの電化率は15%であり、世界185位と低い水準です。
首都でも最低限の明かりしかないため、首都から離れるほど電気を確保できない生活をしている地域が多くあります。
電気のない地域ほど、太陽の動きに合わせて生活を行っているため、自然と早寝早起きの習慣が身についたということです。

交通ルール

マダガスカル国内の交通ルールは、「劣悪である」といわれています。
国内のインフラ整備が行き届いていないことから、道幅が狭い・舗装されていない道路・車道と歩道の区別がないなど、危険が多いです。
また、ドライバーの自由な運転やオートバイ利用増加も合わさり、重大な交通事故が起こっていることが問題視されています。
マダガスカルへ観光に赴く際は、車の多い場所で歩きスマホやよそ見などはせず、周りの状況を見ながら歩きましょう。
他にも、マダガスカルの交通ルールや道路状況に慣れていなければ、現地のドライバーに依頼することも大切です。
渡航する前に、外務省の「海外安全ホームページ」で確認できます。

知っていると面白いマダガスカルの楽器文化

マダガスカルの楽器や音楽文化は、アフリカやイギリスなどの様々な国から移民・入植者が訪れたことで、多様性と独自性を合わせて生まれました。
伝統的な楽器は、広範囲の起源を反映していることから、マダガスカル全域に浸透しています。
ここからは、マダガスカルの楽器文化について、紹介しましょう。

ヴァリハ

マダガスカルの伝統楽器である「ヴァリハ」は、竹や金属を使用した皮の上に絃が張られています。
爪で弾きながら音を出して、長い糸巻きを動かしながら、音を変えていくことが特徴的です。
ヴァリハは、マダガスカルの移住者たちが南ボルネオから運んできた、1600年頃にインドネシア系の商人が持ち込んだなど、起源には諸説あります。
しかし、ヴァリハを手に取ったマダガスカル人が、自分たちに最適な楽器になるよう変化を加えていったと考えられています。
また、ヴァリハには同種の楽器があり、竹の代わりに木の箱を用いた「マロヴァニー」も存在しているので、ぜひ探してみてください。

カボシ

マダガスカルの伝統楽器のひとつ「カボシ」は、小さなサイズのギターで、数種類あります。
オープンチューニングで、コードが簡単に弾けるよう工夫されているギターです。
マダガスカルの土地で、独自の進化を遂げた弦楽器も派生して、独特な演奏法や弦の抑え方の特徴があります。
カボシの種類には、ダブルネックやエレキカボサなどがあり、使用感も異なります。

ツァーピキ

マダガスカルの音楽「ツァーピキ」は、南西部のトリアラー地域周辺の伝統音楽の起源とされています。
パワフルなダンスミュージックで、テンポが速くギター演奏のスタイルに合った音楽が特徴的です。
ツァーピキは、お祝い事・パーティー・葬儀など、南部イベントで演奏される音楽として用いられています。
近年では、現代楽器であるベースギターやドラムセットなどを加えて、バンド演奏も確立しているほど、世界に広まりつつあります。

サッレギ

サッレギ(サレジー)は、エネルギッシュなダンスミュージックであり、ギター・音声・カーパッションが主役となっている特徴があります。
歌い方やテンポは単調的であるため、ボーカルや手拍子などでポリリズムを取りながらダンスが繰り広げられます。
ただし、サッレギは楽器演奏を主としていることから、エネルギッシュなダンスを促すときのみ、声が用いられることも特徴的です。

マダガスカルの文化は楽しさがいっぱい!

マダガスカルの文化は、人々が楽しめる・笑顔になれるようなものが多くあります。
特に、料理や音楽では、国を問わずに多くの人の心が揺れたり、通じたりすることがあるのではないでしょうか。
各地域で多様な民族が住まうマダガスカルで、ぜひ現地の優しさや暖かさのある文化に触れてみてください。
ただし、観光に赴く際は、身の安全や貴重品の管理などは、忘れないようにしましょう。

今長谷
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