アイスランドの神秘的オーロラを見る旅へ

アイスランドという国は「地球の大地が生まれる場所」と学生時代に習い、いつかは訪れてみたいと思い続けていた国。この国では秋から春にかけてオーロラも頻繁に現れると聞いて冬のオーロラの時期に訪れました。

オーロラはもちろん、生きた地球を感じさせる魅力ある大地 それがアイスランドでした

オーロラが見たい
宇宙の神秘を感じたい
アイスランドという北欧の島で

ヨーロッパとアメリカの間 大西洋に浮かぶ島国 アイスランド

日本が中央に書かれた世界地図を開いてアイスランドの位置を見つけるのは簡単です。地図の左端の上部に梅干しのような形で書かれている島がアイスランドです。ヨーロッパとアメリカの間の大西洋の北にあります。日本からこの国への直行便はありません。

 

私は最短で現地に向かうことができるデンマークのコペンハーゲン経由を利用しました。成田からコペンハーゲンまで11時間半、乗り継いでアイスランドの玄関口・ケフラヴビクまで3時間。乗継時間を入れると日本を出発して19時間かかりますが、日本との時差9時間のお蔭で、日付で言えばぎりぎり出発した日が終わる前に到着しました。アイスランド着陸前の飛行機の窓から北の空を見ると暗い闇にぼんやりとオーロラが見えていて、オーロラ地帯に来たことを感じさせてくれました。

熱い大地と氷の国 相反する顔を持つアイスランド

アイスランドは大西洋の深い海の底にあった大火山山脈が海上に顔を出した火山島で、北海道と四国を合わせた大きさです。日本にもたくさん火山がありますが、アイスランドの場合は国土の全てが火山から噴出されたものという言い方ができます。訪れた時期は冬。北極圏に国土の一部がかかっているほど緯度が高いため、昼間が短く夜が長い極夜と言われる時期です。

 

朝、待ちに待った太陽が大地に光を差し始めると、この国の大地が殆ど真っ黒の溶岩台地で出来ていることに驚かされました。原野を車で走るとあちこちから地熱活動による蒸気が吹き上げていてまさに生きている地球を実感させてくれる国でもあります。その一方で山々は陽を浴びて真っ白に輝き、標高の髙い部分は氷河だと言うことでした。名前だけで言えば氷の国ですが、熱い地球の息吹も感じる国。それがアイスランドです。

頂部が平らなアイスランドの美しい山々

真冬の夜空の天体ショー オーロラ

オーロラに心を奪われるのはなぜでしょう。

それは日本ではまず見る事が出来ない天体現象だから。いつ出るかも分からず、いつ消えるかも分からないミステリアスな光だから。そして幸運に恵まれてはじめて、音もなく妖艶に美しく夜空を舞う姿からでしょうか。

 

その日は北欧の「キーン」と張りつめた冷たい空気が支配した夜、降るような星空の下でオーロラは北の地平線に近い空のぼんやりした光から始まり、やがて徐々に北の空を覆い始めて光の橋をかけたように広がりました。ある瞬間、宇宙の高い所から光の橋にちょうどスポットライトのように明るくて鋭い光がいくつも差し込み始めました。その数分後には光の橋は音もなく踊り始めました。

 

まさに緑のカーテンが風に揺れているようです。激しく舞う緑のカーテンはやがて頭上に移動し、無数のスポットライトが射し、光の爆発が地上まで降ってくるような迫力に成長しました。

 

静かな夜、どこからか犬がオーロラに向って吠えている声が聞こえてきます。やがて、徐々に光は力を失い、まさに何事もなかったように消えて、再び星が輝くだけの夜空に戻りました。

驚いた!アイスランドのオーロラはこんなにも楽々

オーロラと言えば北米のアラスカやカナダ、ヨーロッパならフィンランドの冬が有名ですが、これらの地域の冬は-30度を下回るほど厳しい寒さのため、夜になったら寒さ対策がなされた専用の施設にバスで30~40分移動して、夜遅くしかオーロラが出ないという傾向のため他の観光客と一緒に朝の3時くらいまで滞在し、出たら厳重な服を着て外に出るという流れでした。ホテルに戻るのはもう朝方です。

 

ところが、アイスランドの冬は穏やかで1月でも平均最低気温は-3度です。しかも出現時間帯が早く、20時にはオーロラも出てくれました。そもそも寒さが穏やかなので専用の施設への移動も不要。オーロラを待っていた場所は滞在先のホテルです。オーロラが出たらジャケットを着て、部屋から直接出られるホテルの庭でオーロラを見て、消えたら自室に戻り、眠たくなったら好きな時間に寝るというスタイルでした。

これまではオーロラのために一日のスケジュールが組まれていたイメージだったのが、オーロラが出たら寝るまでの時間に見ましょうと言う気楽なスタイル。アイスランドのオーロラ観測はまさに天国でした。

アイスランドで見逃せない!リング状に観光地が並ぶゴールデンサークル

世界遺産 シンクヴェトリル国立公園

絶海の孤島だったアイスランドに住みついた最初の人々はノルウェイ王の圧政に苦しんで、西暦870年にノルウェイから逃れてきた人々です。王政に嫌気がさして民主制を目指し西暦930年に世界で初めてアルシンギと呼ばれた民主議会を開いた場所が現在のシンクヴェトリルです。日本は平安の世の醍醐天皇の時代です。議会と言っても建物があったわけではなく、原野にテントを張って話し合いをしていたようですので、議長の声を反響させた巨大な自然の壁以外は何も残っていません。この原野は国立公園として保存されておりましたが、世界最初の民主議会の地という歴史的な価値から今では世界遺産に指定されています。

その一方でこの地が世界的に有名なのは地球の割れ目「ギャウ」の存在です。ユーラシアプレートと北太平洋プレートの移動で常に大地は東西に引っぱられ続けているため、紙を引っ張ると破れるように深い溝「ギャウ」が無数に走っています。この溝の壁の一つが西暦930年に議長の声を反射させた壁だということです。この地で別れた二つのプレートが地球をそれぞれ半周して再び出会う場所が日本のフォッサマグナ(糸魚川―静岡構造線)というのに日本人としてロマンを感じながらギャウを見おろす展望台に登りました。

地球の割れ目 ギャウ

グトルフォスの滝はアイスランドのナイアガラ

グトルフォスの滝 人のサイズと較べたら・・

国土のほとんどが溶岩で出来たアイスランドは、広大な溶岩台地の国でもあります。その溶岩台地の上を流れる川には浸食などにより横幅の広い滝がいくつも作られていて、それらの見る事もアイスランドの楽しみです。その中で最も迫力がある滝が幅70m、落差30mのグトルフォスの滝です。

嘗て大規模なダム建設で姿を消す運命にありましたが、この滝の近くに住んでいた少女がまさに命がけで反対したお蔭で今もその豪快な姿を楽しむことができます。この少女のレリーフは今でも滝を見つめています。それにしても冬なのに滝は凍りつくこともなく、ものすごい水量でカナダのナイアガラを髣髴とさせる迫力です。

滝から吹き降ろす風が顔にあたるとさすがに冷たく、手もかじかむほどです。

しかし、寒さを我慢したご褒美のように滝から舞い上がった水滴が凍って滝の周りに重なり、その姿は真っ白な彫刻の中に流れ込む滝のようで感動しました。そして、この滝が一番輝いたのは太陽の光が斜めから差し込んだ瞬間でした。滝の水煙が黄金に輝いています。グトルフォス、それは黄金の滝という意味です。

間欠泉は地理用語でゲイシール そしてゲイシールを訪れる

ゲイシール

地熱活動で定期的にお湯を吹き上げる間欠泉は日本では別府や登別、嘗ては諏訪湖でも見られました。間欠泉や噴き出る水を意味するガイザーの語源となった間欠泉がアイスランドにあります。その名はゲイシールで、以前は70mの高さまで吹き上げていたようですが、今は活動を停止して静かにお湯をためているのみです。このゲイシールの廻りにはいくつもの温泉が湧いていて温泉独特の匂いと湯煙で見通しが悪いほどです。

 

その湯煙を割いてストロックルという名の間欠泉が今日も元気に大きな音を立てて吹き上げています。ほぼ5~10分毎に吹き上げるので、多くの観光客が遠巻きに今や遅しとその瞬間を待っています。吹き出し口では海のようにお湯が干満を繰り返し、時々今にも吹き上げそうな勢いまで満ちますが何度もその期待は裏切られました。しかし、ひとたびその時が来ると頭上遙か高いところまで一気に吹き上げます。

 

風向きによっては吹き上げたお湯が雨のように降ってきました。幸い火傷をするほど熱くはありませんでしたが、日本の観光地ならこんな近くに観光客を近寄らせることはないだろうなと思わずにはいられませんでした。

せっかくの北欧 訪れたいアイスランドの観光地

氷河観光の決定版 アイスケイブ

アイスランドでも少し標高が高いエリアには氷河があります。最大のヴェトナヨークトル氷河は欧州最大で東京、埼玉、神奈川を合わせたサイズです。長い氷河という意味のラングヨークトル氷河には最近人工的にトンネルが掘られて氷河の内部の様子を見る事が出来るようになりました。

大人ほどのサイズのタイヤを履いた雪上車で真っ白な世界を移動しトンネルの入口へ。入口を入った場所で滑り止めのチェーンを靴底に付けて奥へ入っていきます。氷の中ですから真っ青な光の世界になるのはある程度想像していましたが、氷河の危険な落とし穴であるクレバスもこのトンネルは貫いて、氷の中のクレバスがどのような形になっているのかを見る事が出来ます。

これまで恐る恐る覗き込むものだったのが、見上げるというのは初めての経験でした。上から見るとただの氷の裂け目ですが、内部はまさに氷の殿堂。照明を当てられると光り輝き、まるでステンドグラスのように美しい風景が氷の中に続いていました。

スナイフェルスネス半島(国立公園)は海岸線が続く唯一の海の国立公園

氷河をまとう火山、溶岩が海岸で冷え固まった時にできる蜂の巣状の石柱である柱状節理の風景までスナイフェルスネス半島はまさにアイスランドの縮図だと感じます。半島の先端に聳えるスナイフェルスヨークトル山は現地の日本人の間ではアイスランド富士とも呼ばれる美しい山で、近くから見るよりも首都レイキャビクから見たほうが富士山らしく感じました。

この半島は「海底二万哩」や「八十日間世界一周」で知られるフランス人作家のジュール・ベルヌが1864年に発表した「地底旅行」の舞台でもあります。この半島を車で一周して海岸線の美しい風景、迫力満点の柱状節理の壁、多くの海鳥、そして偶然海を見ている時に見つけた二頭のシャチなどアイスランドの海の風景を満喫しました。

人通りも少なく、何となくのんびりと時が流れている雰囲気に日本の東北地方のような懐かしさを感じました。

アイスランドで最も美しいキルキュフェットル山

アイスランド 南海岸は名瀑と氷河湖のオンパレード

アイスランドの南海岸には豪快な風景を持つ滝や氷河、火山が並ぶようにあります。特にスコーガフォスの滝は幅25mで落差は60mもあり、他のアイスランドの滝と同様に豊富な水量で大迫力です。この滝の南側に建つホテルに宿泊するとオーロラが出やすい北に滝が見えることから、運良く有名な滝とオーロラという写真も撮れました。

その他にも蜂の巣状の石柱の柱状節理が重なって、まるでパイプオルガンのように見えるスヴァルティフォスの滝や、火山灰が層をなして青と黒の縞模様になった氷河が浮かぶヨークルサルロン氷河湖など見どころ満載でした。ちなみにヨーロッパの空港を麻痺させる爆発を2010年にしたエイヤフィラトルヨークトル火山もこのエリアにあって、今は何事もなかったように静かです。

氷河湖・ヨークルサルロンから海に流れ出た氷河

北欧の街らしいレイキャビクと「ブルーラグーン」

全人口32万人というアイスランドのうちの12万人が住む首都レイキャビク。ヨーロッパの小都市サイズで世界でも幸福度が最も高い国に挙げられるアイスランドらしい落ち着いた街でのんびり安心して歩けました。メインストリートのロイガヴェーグル通りにはレストランやお土産屋もありますが充分歩いて回れる程度です。

街を見おろす丘にはハトルグリムス教会、その前にコロンブスより遙かに早くアメリカを発見した偉大な探検家のレイフ・エリクソンの像も立っています。レイキャビクから車で小一時間走ったところには世界最大の温水プールのブルーラグーンもあります。サイズは5000平方メートルですからオリンピックの50mプール4個分です。

地熱発電所の排熱を利用した人工温水プールですが日本人には世界最大の露天風呂と呼ばれているようです。お湯にはシリカと呼ばれるケイ素が含まれており、天気が良いと美しいブルーに光を反射します。このシリカはプールの底に沈んでおり感触としては泥の上を歩いているように感じます。

因みにこのシリカはお肌に良い成分を含んでおりプールの中での泥パックが人気ですし、お土産として売ってもいます。群馬の鬼押出しのような溶岩風景、ひんやりとした空気、やや匂う温泉臭、少しぬるいお湯の温度、そしてプール内で販売しているビールがブルーラグーンの名物ですね。

ブルーラグーン

アイスランドは一年中楽しめる

多くの観光地があるアイスランド。夏なら国道1号線で島を一周する旅も楽しめます。多くの氷河や氷河湖、滝など見どころの連続です。しかし、オーロラを楽しむなら9月から4月の上旬までがシーズンとなります。オーロラは夜が長ければ長いほど可能性が増しますので12月末の冬至の頃なら可能性で言えば一番です。

但し、アイスランドは観光地が豊富なので明るい昼間の観光の時間も十分確保しておく必要があります。昼間は観光して夜はオーロラというスタイルは冬至から少し外れた9~10月や2~3月がベストシーズンだと言えるでしょう。

午前中から夜まで アイスランドのオーロラの旅は一日中楽しめます!

朝方までのオーロラ観測でお昼まで寝ている必要がある北米と違い、朝から観光を楽しむ条件が揃うアイスランド。但し、緯度が高いアイスランドの冬ですので、明るくなるのは9時過ぎくらいでした。そこで、ホテルから早めに出て、観光地に着くころに明るくなるように計画します。

 

ゴールデンサークルやスナイフェルス半島など昼間の充実した観光を楽しんで、夕方にホテルに到着。夕食を済ませるともうオーロラ観測。今か今かと待ってついにオーロラに遭遇。じっくり楽しんで、寒くなったら部屋に戻ってコーヒーを飲み、再び外で緑のカーテンを楽しむ。オーロラが姿を消したらふんだんにお湯が出るシャワーを浴びて就寝。

 

アイスランドのオーロラの旅はある意味忙しく、常に充実しています。

日本人には口に合う アイスランドの食事

海に囲まれたアイスランドは漁業国。美味しいお魚料理が豊富で我々日本人には嬉しい一面です。ロブスターやミンククジラの料理もありました。肉料理もラムなど豊富。そして海外では不足になりがちなサラダやフルーツも豊富です。

 

大陸から離れた絶海の孤島で、暖かいと言っても植物は育ちにくい気候のアイスランドであることから不思議を感じたのは最初だけです。豊富な地熱とその地熱で生み出される安価な電気が多くのビニールハウスをこの国では見る事が出来ました。

 

アイスランドで作ることができない食品は殆どないと嬉しそうにアイスランドのガイドが話していました。

アイスランドのトリビア

アイスランドはノルウェイから移住した人々が9世紀に作った国が起源ですが、殆ど言葉が変化することなく9世紀ごろの言葉をそのまま使っています。日本で言えば万葉集の原本をそのまま現代の子供が読むことができる国なのです。

 

名前の付け方も非常にユニークです。いまだにサーネーム(苗字)はなく、自分の名前の後に、苗字の代わりとして父親の名前に男子ならSon、女の子ならDottirを付けてフルネームとなります。日本で言えば父親が太郎(TARO)で子どもの名前が隆(TAKASHI)ならTAKASHI TARO-SON。孫が博(HIROSHI)ならHIROSHI TAKASHI-SONとなります。

 

以前は欧州ではどこでもそうだったようで、今でも欧米人の苗字にSONが付く場合が多いのはそのためのようです。たとえばマイケル・ジャクソンのジャクソンはJACKの息子、ダヴィッドソンはDAVIDの息子だったということになります

持っていくものリスト アイスランド行く準備

一般的な旅の必需品

パスポート、航空券、お金、暖かく滑り辛い靴、めがね・コンタクトレンズ、帽子、傘(折り畳み傘)、腕時計、スーツケース、ショルダーバッグ(リュックサック)、携帯電話(スマートフォン)、コンセントプラグ、暖かいフード付きジャケット、上着、長袖シャツ、半袖シャツ、ズボン(スカート)、下着、暖かい靴下、暖かい手袋、暖かい帽子、常用薬、風邪薬や頭痛薬・胃腸薬などのお薬、カットバン、洗面用具(歯ブラシやヘアブラシなど)、化粧品(日焼け止め 男性なら髭剃り)、ハンドタオル(ハンカチ)、ティッシュ、筆記用具、カメラ、カメラの充電器、液体物機内持ち込み用ビニール袋、パスポートコピー、石鹸やシャンプー、ビニール袋、水着(ブルーラグーン用)、ヘッドランプ(オーロラ観察用)、カイロ(オーロラ観察用)

 

アイスランドの旅で私が追加で持っていくもの

雨具(ゴアテックス素材などで上下別のセパレートタイプ 防風効果もある)、リュックサック(ショルダーバッグは避ける)、ヘッドランプ(停電対策)、スリッパ(備え付けがないホテルが殆ど)、一眼レフカメラ&カメラ用三脚&レリーズ(オーロラ写真用)、望遠鏡、簡単な非常食(カップラーメンなど お箸)、サングラス(斜めからの太陽光線が多いので意外にまぶしい)、リップクリーム、トイレットペーパー(備え付けがない場合もある)、着脱式の滑り止め

2019年1月アイスランドツアー催行決定!