世界最大の滝 エンジェルフォールの上に立ちたい!

世界最大の滝 エンジェルフォールの上に立ちたい!

今回の世界探訪は、南米はベネズエラにある「ギアナ高地」。最近テレビでも紹介されたりと、注目の高いスポットです。が、、ツアーなどが少なく、旅行に行ける場所という印象はまだまだ少ない場所になります。ギアナ高地には足を運んだことがあったのですが、約1000メートルの高さを誇る世界一の滝「エンジェルフォール」の上に立つという、世界初のツアーを実現!今までに見たことのない景色を味わうことができました。では、しばしギアナ高地への旅にお付き合いください。

地球の歴史に触れた感動を
今も私は忘れない
20億年前から存在するギアナ⾼地から突き出した卓状⼤地、アウヤンテプイに遂に⾜を踏み⼊れた。今までに⾒たことがないような⽊々や植物。⾵や⽔による侵⾷で削れた不思議な形をした岩。

「こんな⼤地が地球に存在していたなんて信じられない。」

そしてギアナ⾼地には世界最⼤の滝、エンジェルフォールが流れている。
雲を突き抜けるように聳え⽴つ崖に、緑の⽊々や植物はその崖を駆け上がるように⽣えている。そしてその崖の上から滝が流れている。

979m の世界で⼀番の落差があるエンジェルフォールは、その⾼さゆえに⽔が⼤地に降りる前に霧状になる。634m ある東京スカイツリーも低く感じてしまう。
「はるか上空から舞い降りる霧状の粒、それはまるで天空から優しく降り注ぐ天使の息吹のようだ。」

そんな映画のワンシーンのような光景を彷彿とさせる滝の上に、これから向かう。数年前までは、離れたヘリの中からのみ⾒ることができた神秘の滝が始まる場所。そこに⾜を踏み⼊れるのだ。

ヘリで上空へ上がり、断崖絶壁の滝の上についに⼀歩踏みこむ。
今までに感じたことのないスリルと今までに感じたことのない胸の⾼鳴り。
滝の上に⽴った者しか味わえない、この感動と達成感は⾔葉では表現できない。

「それは20 億年の地球の歴史に触れた瞬間だった。」

ベネズエラ・ギアナ⾼地を旅するなら外せない時期と⾒所

【エンジェルフォールを⾒るなら9 ⽉~10 ⽉】

エンジェルフォールの⽔量は年間3000mm 以上降るスコールの量によって変わり、滝が⾒事に⽔を流している光景を⽬にできるオススメの時期は9 ⽉〜10 ⽉にかけてです。

ギアナ⾼地はベネズエラ南部のオリノコ川の上流に位置し、ベネズエラ国⼟の半分を占める標⾼1000m の平原地帯です。ここには垂直に切り⽴った断崖を持つ標⾼2600m の巨⼤な卓状⼤地があります。

ギアナ⾼地にある最⼤の卓状⼤地「アウヤンテプイ」は東京23 区をしのぐ⼤きさがあります。そのアウヤンテプイの上に世界最⼤の滝「エンジェルフォール」はあります。

アウヤンテプイをヘリから見る

アウヤンテプイの台地上を飛ぶ

⽇本からアメリカのマイアミまで⾶⾏機で10 時間~14 時間ほどかけて移動し、マイアミから4 時間ほどでベネズエラの⽞関⼝であるプエルトオルダスに到着します。
そこからチャーターしたセスナでアウヤンテプイの麓にあるカバックに⾏き、アウヤンテプイにはヘリで上陸します。

【現実から離れ、旅の仲間と楽しむ星空キャンプ】

秘境で仲間と過ごす時間は⽇本とはまるで違い、現実の様々なことを忘れてしまいます。
20億年も前から存在する⼤地の上でキャンプをしているなんて誰が想像できるでしょうか。
現実か空想かわからなくなるほどです。

台地に貼ったテント

台地に刻まれた数限りない壁

アウヤンテプイに⾜を踏み⼊れると最初に感じるのは、やはり今までに⾒たことも、触れたことも、感じたこともない独特の雰囲気です。
転がっている⽯は真っ⿊で、その⽯の裏を⾒るとピンク⾊の肌が⾒えます。⻑年の⽉⽇で⽯の表⾯が⿊く染まったのでしょう。
周りを⾒渡すと⻑年の⾬⾵にさらされてできた⼤地、周りの植物も景⾊も今までの⽇常とはかけ離れたものです。
⾷⾍植物、ランなどの植物があたり⼀⾯に広がり、川の⽔は植物のエキスによって紅茶⾊に⾚く染まっています。

奇岩は大地の風化の歴史

流れる真っ赤な川

「シャーロック・ホームズ」でも有名な⼩説家のコナン・ドイルが書いた「ロストワールド」の世界観はアウヤンテプイからイメージされたものです。
そんな世界の中でキャンプを⾏います。外にテントを張り、洞窟の中では仲間と⾷事を楽しみます。秘境の旅を共に味わってきた仲間との時間はとても賑やかで、思わず歌を歌ってしまうほどです。
夜になれば、どこまでも広がる星空に包まれ、⽿に聞こえるのは流れる川や⾵の通りすぎる⾳だけ。地球の広さを感じ、今までの⾃分の世界がほんの⼀部だったことを肌で感じます。
また、ギアナ⾼地の朝は美しい光景を⾒ることができます。空に広がる雲がところどころ⾚く染まり、アウヤンテプイの川に映る景⾊は、まるで2つのオレンジの⼤地に挟まれているような感覚になります。

【勇気を出せた達成感と未体験の感動を味わえる滝】

エンジェルフォールから⾒下ろす景⾊は想像を遥かに超える絶景で、⾃分がどれだけ⼩さな存在なのかを思い知ります。
想像を超える⾼さに⾜が震えそうになりますが、「このチャンスは絶対に逃せない」と⾜を踏み出す勇気が持てた先には今まで感じたことのない達成感と感動が押し寄せてきます。

エンジェルフォールに大接近

途中から霧に変るエンジェルフォール

このエンジェルフォールの滝の上に⽴つことはこのアウヤンテプイの旅の⼀番の⽬的と⾔って良いです。
滝の上にある数年前まではなかったブッシュを切り開いたヘリポートを利⽤してヘリから地上に降ります。滝の上では岸壁のギリギリのスリルを味わいながら⼤⾃然から作り出された⽔流が⾜元から降り注いでいる神秘的で、⼼揺さぶる景⾊を⽬と⿐の先で⾒ることができます。

「ついに⽴ったぞ!」と思わず叫びたくなります。

立った!滝上に立ってしまった!

エンジェルフォールをヘリから

※エンジェルフォールの滝の上に降り⽴つことができるのは、株式会社ブループラネットツアーが企画する世界探訪シリーズのツアーのみになります。どのツアーでもできる体験できるわけではございません。

【地球最古の臨場感をハイキングで味わう】

⼈や他の⼤地の影響を受けてない秘境を探検家になったような気持ちで歩いて周るハイキングはワクワクします。
まだ誰も知らない新たな発⾒がありそうで、細部まで⽬を凝らします。⼩説家コナン・ドイルがイメージしたように「突然、恐⻯が出てきたらどうしよう」と想像してしまうほどです。

一歩一歩が感動の連続

真っ赤な河に立つのも醍醐味

地球から突き出したような⼤地は他の地上の植物と交わったり、影響されたりすることがありません。
もちろん⼈は住んではおらず、⻑い間独⾃の⾃然が育ってきました。
「マキシラリア」などの珍しいラン、太陽の壺を意味する「ヘリアンフォラ」、⾷⾍植物の「ブロキニア」など、7000 種類もの植物が⽣息していると⾔われています。
現在の地球にはマメ科植物が発達していますが、下界との交流がないため、ここにはマメ科植物がほとんど⽣息していません。
さらに驚くべきは75%の植物がこの地域にしかいないそうです。

女王「ヘリヤンフォラ」

見渡す限りの食虫植物

蘭・・

・・また蘭・・

⼤型の哺乳類などは滅多に⾒ることはなく、昆⾍類や⿃類が多く⽣息しています。
恐⻯時代からの⽣き残りと⾔われる「オリオフリネラ」というカエルや希少なコアリクイに出会えるかもしれません。

アウヤンテプイの山上で遭遇
また、動植物だけではなく、⻑年の⾵化で削れた岩の形などの光景も楽しめます。
⽔が流れて削れた様⼦も⾒て取れます。植物エキスが染み出した川での⽔遊びも他では味わえません。
⼦供の頃に戻った気がします。

自然の芸術

子供に戻って川で泳ぐ・・体も洗う

⼩説家コナン・ドイルが作品にするほどの地球最古の世界を歩いて味わいます。

ツアーガイドメモ

【アウヤンテプイハイキングは初⼼者でも楽しめます】

今回ご紹介したハイキングは危険な場所を歩くようなこともなく、気軽に楽しめるハイキングになっています。⼤きな起伏もなく気軽に歩けます。また、道を熟知したガイドが⼀緒なので安⼼です。

ハイキングに特別な装備も必要ありません。リュック、ゴアテックスなどの⾬具、⽔筒、伸縮性のある素材の服装、温かいフリース、トレッキングシューズなどがあれば⼤丈夫です。
テント泊に必要な寝袋はレンタルできます。

アウヤンテプイキャンプではガイドが⾷事を作ってくれます。
野菜をザクッと切り、⽯で作った竃の上に網を置いて⾁を豪快に焼いてくれます。

アウヤンテプイ食事① 準備中

ガイドのウベ氏が豪快に食事準備

石がテーブル代わり

アウヤンテプイから降りてエンジェルフォールの滝下近くで一夜を明かすベースキャンプも楽しみの⼀つです。
ベースキャンプの周りはジャングルになっていて、探検好きの観光客が集まります。
⾷事はキャンプファイヤーのように⽊を組み、そこで鶏⾁を焼いてくれます。
寝るときは⼤部屋でハンモックで寝るという普段なかなかできない体験です。

キャンプファイヤーのように鳥を焼く

意外に快適!ハンモック

【ギアナ⾼地での⽣活について】

ギアナ⾼地は熱帯地域です。じめじめとカラッとの間な感じの気候です。時差は⽇本より13時間遅れで、夏時間はありません。

ベネズエラはストライキやデモなど、⽇本の⽅にはあまり良いイメージがないかもしれません。

ただ、今回ご紹介した地域については暴動などが起きる地域には訪れていません。
安⼼して旅⾏ができる場所です。また、危険な動物も住んでいないので安⼼です。

準備するものとして、朝晩は5℃前後まで気温が下がるので、セーター、フリースやウィンドブレーカーが必要です。靴は防⽔の効くトレッキングシューズや⽔着とサンダルは必須です。ブヨなどの⾍対策に⻑袖、⻑ズボンもオススメしています。
今長谷写真
今長谷

いかがでしたか?南米ベネズエラ・ギアナ高地への旅でした。20億年前という途方もない昔から変わらない状態で存在しているアウヤンテプイ。人工的なものの存在がまったくない空間で、自然の光・風・音などに包まれると、大昔の人々の生活などを想像してしまいます。今年は2回行く計画を立てていますが、あの素晴らしい星空をなんとか撮影出来ればと思ってます。

Auther: ネイチャーガイド 今長谷 啓享

自分が行って楽しいと思える旅じゃないと作らない!というポリシーで現地調査・企画・手配を行い、現地の案内まで、ネイチャーガイドとして体験型で少人数のくつろぎの旅を提供。北極圏から南極大陸まで、歴史と文化に溢れる世界遺産からヨーロッパや南米アンデスの山々まで、海外への渡航歴200回以上、パリやベルギーにも駐在経験のある旅人。元山岳ガイドの経験も活かし「自然や世界遺産が好きな方々を体験型で少人数のくつろぎの旅の世界」へ今も日々案内中。

今長谷
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