ギアナ高地は豊富な植物|自然の魅力を堪能しよう

ギアナ高地は豊富な植物|自然の魅力を堪能しよう

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ネイチャーガイド今長谷

ネイチャーガイドの今長谷です

観光に訪れる人も多いギアナ高地には、膨大な種類の植物が生息しています。
特に、ギアナ高地の植物は、各生息する場所の環境に応じて進化・成長を果たしているため、日本の植物にはない独特で珍しい色形に驚く人も多いでしょう。
この記事では、ギアナ高地の珍しい植物について紹介しています。

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ギアナ高地テーブルマウンテンの植物は4000種以上

ギアナ高地にあるテーブルマウンテンの上には、約4,000種以上の植物が生息しているといわれています。
多くの種類のうち、約75%が固有種の植物であり、アフリカ大陸に生息する植物と似ているため、陸続きであった証拠と言われます。
テーブルマウンテンの上は、土が少ないため植物にとって十分な栄養分を球種できません。
しかし、過酷な環境に適応するため、高い山頂に生息している虫を捕食する「食虫植物」の生息が多くなりました。
また、ギアナ高地テーブルマウンテンは植物を始めとして、虫や数少ない生態系も固有種や原始の姿を保ったまま生息しています。
まだまだ調査に至っていない箇所もあるため、「地球最後の秘境」としても有名であり、新たな植物が発見されるかもしれません。

ギアナ高地の独特な植物たち

ギアナ高地に生息している植物たちは、独特な形状・色・特徴を持っているため、観察して生態を見ることも楽しいでしょう。
ここからは、ギアナ高地の独特な植物たちについて、紹介していきます。

ブロッキニア

ブロッキニアは、パイナップル科に属する食虫植物で、黄緑色の色合いが目立つため、多くの虫を捕獲可能です。
ギアナ高地で自然に生えてきており、茎・枝・葉の付け根上部に水を溜められる特徴があります。
ブロッキニアは、剣のように長い形状で、葉が真っすぐ伸びて筒状に重なり合い、筒の中心に水を溜められる機能を持っています。
溜まった水は、ほのかな甘い香りを放っているため、虫を引き寄せやすいです。
ブロッキニアの中に入り込んだ虫は、葉の内側から蝋を成分としている透明な膜で捕らえられるため、逃げ出せません。
また、水は強い酸性であるため、虫を分解して栄養源を確保しています。

ヘリアンフォラ

ヘリアンフォラは、ギアナ高地だけで自然に生えて成長する珍しい食虫植物です。
大きな口を開いたような筒状の葉が複数枚あり、小さな蓋を持っています。
他の食虫植物とは異なり、自前で虫を消化できないため、分泌液の中で共生するバクテリアの力を借りて吸収する植物です。
ヘリアンフォラは、高温に弱く乾燥状態が長く続くと葉が枯れてしまいます。
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やっぱりヘリアンフォラでしょう
ギアナ高地で【女王ヘリアンフォラ】とまで呼ばれ、派手ではないですがひときわ目を引く固有のお花です。これだけは必ず見て頂きたいお花ですね。雨期~雨期明けの季節なら例年見ることが出来ます。

ドロセラフィリックス

ドロセラフィリックスは、モウセンゴケ種の食虫植物です。
湿地帯や沼地に自然に生えている植物ですが、約30〜35度の気温の中で成長できます。
ただし、寒さには弱いため、気温が10度を下回ると途端に元気がなくなることが特徴的です。
ドロセラフィリックスは、オリーブグリーンの色が濃く、太陽などの強い光の中では真っ赤に見えて、まばらな赤い毛で覆われた茎・長い緑の触手を持った独特な姿をしています。
また、1つの茎に1~2つの丸みを帯びた白い花を咲かせます。

ステゴレピス・ガイアネンシス

ステゴレピス・ガイアネンシスは、ラパテア科の一種であり、ギアナ高地の固有種です。
湿地帯や岩場のすき間に生息している場合が多く、約60cm~2mの大きさまで成長します。
ステゴレピス・ガイアネンシスは、長楕円形の肉厚のある葉が根元で重なりあって、茎を包むほど多くの葉があることが特徴的です。
咲いた花は、3枚の花弁を持つ小さく小型であるため、可愛らしさを感じるでしょう。
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素晴らしいテーブルマウンテンの植物ですが、意外にもトレッキングルートがあります。私がお勧めするアウヤンテプイ山のルートはその名もオーキッドトレール。オーキッド、つまり蘭の道です。高低差もほとんどなく、たくさんの固有種をゆっくり楽しめます。

ドロセラ・ロライマエ

ドロセラ・ロライマエは、モウセンゴケ科に属しており、ピンク色の小さな花を咲かせる食虫植物です。
他の種と形状の違いに差はありませんが、古い株・枯れた捕獲葉が下向きに垂れている状態をしています。
捕獲葉からは、粘々した酸性の液が分泌されるため、捕らえられた虫を逃すことなく栄養源として吸収する姿が見られました。

ウトリクラリア クエルチー

ウトリクラリア クエルチーは、ギアナ高地の固有種であり、岩場や土手に生えた苔の中に生息している着生植物です。
赤い花を咲かせるため、着生植物としては珍しい種類とされています。
また、生体の中には小さな貯水球を持っており、自分の成長・養分へとつなげる力を持つ特徴ある植物です。

ギアナ高地の野草は日本でも購入できる

ギアナ高地に生息する野草は、日本でも購入できます。
通販サイトで紹介していたり、ヤフオクでも取引されていたりするなど、ギアナ高地の珍しい植物に魅了される人は多いです。
また、国内外の野草取引をしているサイトは、育て方や注意点などを記載している場合があります。
「初めてだけど家で育ててみたい」「購入を検討している」など、ギアナ高地の植物初心者の人でも安心して育てられるため、おすすめです。

ギアナ高地の植物を堪能できるスポット

名前は分からないほどの数
ギアナ高地の植物は、テーブルマウンテン以外にも堪能できるスポットがあります。
各スポットの環境下で生息している植物の種類を紹介しましょう。

カナイマ国立公園

カナイマ国立公園では、固有種の動植物を観察したり、近くで見たりできます。
カナイマ国立公園の地帯は、プレート変動の影響をほとんど受けていないため、「約20億年前の地質のままである」といわれている場所です。
生息している植物の中には、食虫植物以外に500種類のランなどがあります。
また、生き物も環境下に合わせて、独自に進化した体を持っているため、珍しさを感じるでしょう。

グランサバンナ

グランサバンナは、大草原が広がる静寂な環境であるスポットです。
高い気候の地帯であるため、ブロッキニアが多数生息しています。
広大な草原地帯の中で、黄緑色が目立っていることから、虫の捕食を見かけることが多いのではないでしょうか。
ブロッキニア以外の植物を探しながら、グランサバンナの広大な草原を楽しんでください。

アウヤンテプイ山

標高3,000m近い高さと岩だらけの箇所も多く、風雨が続く過酷酷な環境です。
山頂付近の食虫植物・岩場の苔類などの固有種が長く生息できる環境を整えています。
特に、苔類には水辺を用意して、水分を確保できる環境を提供しています。
面積も大きいためあらゆるガイアナ高地の植物を見ることが出来ます。
植物観察には最適な山です。

マユーパ島

マユーパ島は、熱帯雨林と湿地帯が広がる場所であり、花を咲かせる植物が多く生息しています。
独特な色や形を持ったラン科の花や、水分を溜めこむ機能を持つヤシ科などです。
色とりどりの花は、観光客から好評なため、植物を楽しみたい人にピッタリでしょう。

ラトンシート島

ラトンシート島は、熱帯雨林地帯ですが、島独特の環境下で成長していった植物が多いです。
岩場に生息して他植物から栄養を吸収する植物、色とりどりの花、ヤシの木などの島民が重宝する植物があります。
また、湿地帯には「草本植物」が多く生息しており、生態系を作る一部として重要視されています。

ギアナ高地の植物は身近に感じられる!

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いかがでしたか?

ギアナ高地の植物は、環境に適応した進化を遂げているため、固有種も多く珍しい形をしています。
日本の自然環境にはない植物ではありますが、独特なビジュアルから興味を持つ人からの購入が増えています。
ギアナ高地の植物は、環境を整えて育て方に注意すれば自宅で育てられるため、ヤフオクや専門サイトから探してみましょう。
また、ギアナ高地へ観光に訪れた際は、現地の植物の様子を観察してみてください。

Auther: ネイチャーガイド 今長谷 啓享

自分が行って楽しいと思える旅じゃないと作らない!というポリシーで現地調査・企画・手配を行い、現地の案内まで、ネイチャーガイドとして体験型で少人数のくつろぎの旅を提供。北極圏から南極大陸まで、歴史と文化に溢れる世界遺産からヨーロッパや南米アンデスの山々まで、海外への渡航歴200回以上、パリやベルギーにも駐在経験のある旅人。元山岳ガイドの経験も活かし「自然や世界遺産が好きな方々を体験型で少人数のくつろぎの旅の世界」へ今も日々案内中。

今長谷
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