マダガスカルの世界遺産と魅力|アクセス方法も紹介

マダガスカルの世界遺産と魅力|アクセス方法も紹介

マダガスカル共和国は、世界で4番目に大きな島を主として、周辺の島から成った国です。
絶滅危惧種の動物や植物が多く生息しており、島国という孤立した環境から独自の歴史を持っています。
マダガスカルの自然と独自の歴史を見られる場所は、世界遺産に登録されました。
この記事では、マダガスカルの世界遺産について紹介しています。

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マダガスカルの世界遺産一覧

マダガスカル島内にある世界遺産は、以下のとおりです。

  • 文化遺産:アンブヒマンガの丘の王領地
  • 自然遺産:アツィナナナの雨林
  • 自然遺産:ツィンギ・デ・ベマラ

 

文化遺産は、古くから続く文化や歴史を象徴する存在であり、他国の人々へ感動を与える価値あるものとされています。

自然遺産は、地球の進化が視認できる自然のことであり、自然美や美的価値を感じられるものとされています。

マダガスカル島内の世界遺産は、有名な観光スポットとして知られているため、訪れる観光客は多いです。

アンブヒマンガの丘の王領地

マダガスカル国内の世界遺産である「アンブヒマンガの丘の王領地」は、2000年に登録されました。
アンブヒマンガの丘の王領地は、メリナ王国がマダガスカルを最初に統一した場所でもあり、王族の街や埋葬地がある神聖な場所とされています。
王宮を取り囲む堀と城壁は、伝統的な設計技術・建材を用いて建築されていることから、当時の王宮の雰囲気を感じ取れるでしょう。
また、まるで二重のように囲まれた設計には、16世紀以降のマダガスカルの政治的・社会的部分を表しているといわれています。
王宮へ通じる門は7つあり、占星術によって決められました。
マダガスカル語で、アンブヒマンガは「青い丘・美しい丘」の意味を指しています。
丘の上にそびえ立つ王宮からは、変わることのない息をのむほどの絶景を見ることができるでしょう。
建物の一部は、博物館として公開されているため、興味がある人は足を運んでみてはいかかでしょうか。

アクセス方法

アンブヒマンガの丘の王領地は、首都アンタナナリボから車で約1時間の場所に位置します。
北東へ約21kmの距離であるため、レンタカーや乗り合いバスを利用するのが良いでしょう。
ただし、乗り合いバスは、1時間に数本ほどしか運行されていないため、乗り遅れがないように注意が必要です。
また、雨天による道路の冠水や交通量の多さなど、交通状況によっては予定時間をオーバーする可能性も考慮しなければなりません。
アンブヒマンガの丘の王領地へ観光に行く際は、時間に余裕を持って動くことをおすすめします。

おすすめポイント①城壁都市跡

アンブヒマンガの丘の王領地のおすすめ観光ポイントは、城壁内の美しさです。
二重に囲われた城壁内は、王族の墓・聖なる水場・王族の樹木・湖など、自然の美しさと聖域部分を切り取ったような情景が広がっています。
アンブヒマンガの丘の王領地を守るための7つの門があり、占星術によって建てられる位置が決められました。
また、標高1,500mの高い場所に建築されたことから、マダガスカル国の政治的な重要性を示したとされています。
アンブヒマンガの丘の王領地の城壁には、1,600万個の卵白をセメント材料にされており、当時のフランス人技術者の指導で建設が進みました。

おすすめポイント②女王の別荘

アンブヒマンガの丘の王領地のおすすめ観光ポイントは、女王の別荘です。
王宮内に隣接する2階建ての木造建築物であり、フランス人技術者の指導の下、建設が行われたとされています。
17世紀に実験を握った女王ラナヴァル1世が建築を指示し、避暑地として別荘内で過ごしていました。
1階は会議室・食堂・家族の寝室、2階は女王の寝室・休憩室があります。
展示物であるヨーロッパ風の家具や調度品は、当時王族が使用していたままの物です。
美しいブルーマウンテンが広がるアンブヒマンガの丘の王領地は、女王のための王宮であると同時に、まさに世界遺産に相応しい場所でしょう。
また、占星術を基にしたこともあり、マダガスカルの国民からは神聖な地と認識されています。

アツィナナナの雨林

アツィナナナの雨林は、マダガスカルの地で6,000万年以上前から存在している森林です。
マダガスカル島の東部6つの国立公園にまたがっており、絶滅危惧種の動物たちが生息していることが評価されたことで、2007年に世界遺産登録されました。

アクセス方法

アツィナナナの雨林は、各国立公園の場所によってアクセス方法が異なるため、注意しましょう。
ラノマファナ国立公園は、フィアナランツォア空港へ国内線で向かい、車で東に曲がった後に東北方面へ進むと到着します。
ザハメン国立公園は、首都アンタナナリボからアンバトンドラザカ空港へ国内線で向かい、車でアラオトラ湖畔を東に曲がると到着です。
6つの島を観光したい場合は、ツアーの参加をおすすめします。

おすすめポイント①ラノマファナ国立公園

アツィナナナの雨林のひとつ、「ラノマファナ国立公園」は固有種の鳥類やキツネザル、60種類以上の爬虫類などが生息している熱帯雨林です。
希少な生物が多い中でも、「キンイロタケキツネザル」は、ラノマファナ国立公園のシンボルとして知られています。
また、昆虫類も多く生息していることから、90種類を超える美しい蝶を見ることができるでしょう。
ラノマファナ国立公園は、ハイキングコースが整備されているため、動物たちを身近に感じやすくなります。
自然の雄大さを感じながら、気持ちの良いハイキングができるとして、観光客には好評です。

おすすめポイント②ザハメン国立公園

アツィナナナの雨林のひとつ、「ザハメン国立公園」は湿度が高いエリアですが、国立公園の中で最も多様な生物が生息しています。
生物の中でもキツネザルの種類が多く、腕と足の毛色が異なる「シロクロエリマキキツネザル」や、目が大きい「ミミゲコビトキツネザル」などがいます。
珍しい種類から、可愛らしい種類のキツネザルに出会えるでしょう。
また、植物も豊富で500種類以上の樹木があり、ヤシだけでも20種類を超えます。
ザハメン国立公園は、東西のエリアで分かれていますが、現在も未踏査の区域があるため、自然学者たちが調査を続けている場所です。
調査が進むことで、新たな種類の生物が確認される日が近いかもしれません。

ツィンギ・デ・ベマラ

マダガスカルの世界遺産には、尖った岩が林立している「ツィンギ・デ・ベマラ」があります。
まるで針山のような鋭さを見せる岩は、独特な雰囲気を感じさせることでも有名であり、1990年にマダガスカルで初めての世界遺産に登録されました。

アクセス方法

ツィンギ・デ・ベマラへの観光は、飛行機や車を利用します。
首都アンタナナリボから飛行機で約1時間、レンタカーや乗り合いバスで約8時間かかるため、アクセス方法は慎重な検討が必要です。
また、現地観光に事前予約などはなく、悪路を進むことからアクセスが厳しい場所でもあります。
効率よく観光を行うために、アクセス方法が整っているツアーの利用がおすすめです。

おすすめポイント①とがった岩

ツィンギ・デ・ベマラの「とがった岩」は、鋭い奇岩が空中に浮いているように見えます。
元々、「石灰岩の台地」でしたが、石灰岩の地表部分が数万年を経て、風雨の浸食によって現在の形になりました。
とがった岩に生息している生物や植物は、特殊な環境下に適応した進化を遂げています。
例えば、手足や尻尾が長い生物は、跳躍力や柔軟な体となり、尖った先端の岩に飛び移って移動しています。
また、ツィンギ・デ・ベマラは熱帯気候の場所であるため、少量の雨でも岩の間に吸収されるほど過酷な環境です。
そのため、植物は乾燥に強くわずかな水量でも成長できる仕組みへと発達しました。
ツィンギ・デ・ベマラに生息する生態系には、多くの謎が秘められているため、「秘境」スポットとしても楽しめるでしょう。

おすすめポイント②ベローシファカ

ベローシファカとは、キツネザルの仲間であり、後ろ足と尻尾が長い特徴を持つ動物です。
体毛は美しい白色で覆われていて、頭頂部は黒系統の色をしています。
ベローシファカは木をしっかりと掴んだり、乾燥してトゲができた植物や木の間を移動したりすることから、手のひらがとても分厚いです。
また、基本的に木の上で生活をするため、地上を歩くことはほとんどありません。
地上を歩く際は、直立姿勢で後ろ足を使ったジャンプをしながら、腕を左右に広げて移動します。
長い尻尾でバランスを取った移動方法は、貴重なシーンであるため「ダンシングシファカ」の愛称で親しまれています。

世界遺産以外で見ておきたい観光スポット

マダガスカルは、世界遺産に登録されている観光スポット以外にも、「ボネ・ドパップ」や「ベタニア漁村」などの観光地もおすすめです。
ボネ・ドパップは、「ローマ法王の帽子」と愛唱されている標高1,500mの一枚岩であり、エアーズロックに似ています。
2時間ほどで登頂が可能なため、気軽にハイキングを行いながら、動物・植物に出会える感動を全身で感じられるでしょう。
ベタニア漁村は、漁師の多いヴェズ族が住む村で、漁労を生業とした伝統的な昔ながらの生活を送っています。
井戸水を使用して洗濯を行ったり、カヌーを手作りしたりする場面など、機器に頼らないヴェズ族の発想を知ることができます。
マダガスカルには魅力的な観光スポットが多くあるため、世界遺産以外にも足を運んでみてはいかがでしょうか。

マダガスカルは自然と歴史を感じられる観光スポット

マダガスカルは、雄大な自然と人々が送ってきた歴史を感じられるスポットが多いです。
世界遺産に登録された場所は、魅力と神秘を併せ持つため、日本の地では感じられない高揚感があります。
また、多様な動物や植物も生息していることから、自然の癒しを得ることもできるでしょう。
マダガスカルへ観光に赴いた際は、世界遺産に登録された場所以外のスポットもおすすめです。