マチュピチュ近郊の治安や社会情勢を理解しておこう

マチュピチュ近郊の治安や社会情勢を理解しておこう

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ネイチャーガイド今長谷

ネイチャーガイドの今長谷です。

マチュピチュ遺跡のあるペルーは、決して治安の良い国とは言えません。
また、基本的に海外は日本と比べて安全ではないので、必ず治安情報や社会情勢を確認しておくべきです。
そこで今回は、マチュピチュ近郊の治安や社会情勢について解説します。
ペルー人の人柄も解説するので、観光に行く前にチェックしてください!

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マチュピチュを含むペルーの治安情報

結論から言えば、ペルーの治安は良くありません。
アメリカの雑誌『グローバル・ファイナンス』が発表した「世界で最も治安の良い国ランキング」によると、ペルーは101位です。
現在世界には197カ国あると言われているので、かなり治安の悪い方と言えるでしょう。
ちなみに日本は世界で10位なので、日本の治安と比べると、大きな違いがあります。
マチュピチュ遺跡やマチュピチュ村に関しては、観光客が多いため比較的安全と言えますが、その他のエリアには注意してください。

外務省によるぺルーの治安情報

外務省の「海外安全ホームページ」によると、ペルー全体の治安は「レベル1(十分注意)」の状態です。
マチュピチュやクスコにおいてもレベル1なので、比較的安心できると言えます。
しかし、クスコの隣のラ・コンベンション郡やラ・マル郡は「レベル3(渡航中止勧告)」となっているので、近づいてはいけません。
その他、チチカカ湖のあるプーノ州も「レベル2(不要不急の渡航中止)」となっているので、近づかない方が良いでしょう。(2023年4月時点の情報)

ペルーで夜の一人歩きは大丈夫?

先述したように、ペルーの治安は良くありません。
そのため、夜間の外出は控えてください。
とくに人通りの多い場所は危険です。
数名での観光であっても、できるだけ夜間の外出はしないようにしてください。

リマの治安情報

ペルーの中でもリマは大都市となっており、歴史的建造物も多いです。
そのため、観光客もいますが、決して治安は良いとは言えません。
エリアによっては治安の悪い場所があるので、向かう場所には注意してください。
また、スリやひったくりの可能性もあるので、手荷物にはとくに注意です。

クスコの治安

クスコの治安は比較的良いと言えます。
しかし、地区や通りによっては治安の悪い場所があるので注意してください。
インディアゴ地区やペレン通りは犯罪が発生しやすい場所です。

マチュピチュの治安

マチュピチュ遺跡の付近は、治安は良いです。
世界各国から観光客が集まっているので、大きな犯罪は起こりにくいと言えます。
ただし、観光客が多い分、客引きやぼったくりもいるので、注意してください。

マチュピチュ村の治安

マチュピチュ遺跡への入り口となるマチュピチュ村に関しては、治安は良いです。
いわゆる観光街で、お土産屋さんやレストランもあり、犯罪の心配はほとんどありません。
ただし、スリなどの危険性はあるので注意してください。

ペルーで近づいてはいけない場所

マチュピチュ観光の際に、マチュピチュ以外の場所へ訪れるケースもあるでしょう。
しかし、以下で紹介するエリアには近寄らないでください。
以下の地域は、ペルーのなかでも治安の悪い地域として知られています。

バリアーダス

ペルーのリマ、セントロを流れるリマック川の対岸は、近づかないでください。
ここは、バリアーダスと呼ばれるスラム街です。
ペルーの中でも特に治安が悪いと呼ばれているので、大きな犯罪に巻き込まれる可能性もあります。
もし周辺を通る場合は、タクシーやバスなどで移動しましょう。

カヤオ

カヤオは、リマのホルヘ・チャベス国際空港のある街です。
空港があるので安心してしまいやすいですが、実はペルーの中で凶悪犯罪が多発する場所になります。
そのため、空港に着いたら、すぐに市街地へ移動するようにしましょう。
また、タクシーを利用する際も、流しのタクシーはぼったくりなどの可能性があるので、空港の正規カウンターで手配してください。

マチュピチュ観光で特に気を付けるべき犯罪

マチュピチュ観光で特に気を付けるべき犯罪は、以下の3つです。

  • 偽タクシー
  • 窃盗
  • 置き引き

特に観光旅行者が狙われやすい犯罪なので、慎重に行動しましょう。
以下では、どのような犯罪に巻き込まれてしまうのかについて解説します。

偽タクシー

ペルーの空港周辺では、偽タクシーがいます。
偽タクシーに乗ってしまうと、ぼったくりや誘拐されるなどの可能性があるので注意しましょう。
タクシーを利用する際は、正規のタクシーを手配してください。

窃盗

過去に、レストランで会話をしている最中に、携帯電話が盗まれるという事件が起きています。
このような窃盗事件はペルーに限らず海外旅行でよくある犯罪なので、必ず手荷物を厳重に管理してください。

置き引き

ペルーに限りませんが、置き引きには注意してください。
日本では荷物を置いて席を確保しておくなどが当たり前に行われていますが、海外ではかなり危険な行為です。
少しでも荷物から目を離すと荷物を盗まれてしまう可能性があります。
海外旅行に行く際は、少しの間でも、荷物から目を離さないようにしましょう。

マチュピチュを取り巻く社会情勢

ここまで、ペルーの治安について解説しましたが、ペルーではデモなどが起きるケースもあります。
デモなどの危険性については、外務省海外安全ホームページで確認できるので、渡航前に確認しておきましょう。
以下では、ペルーのデモなどについて解説します。(2023年4月時点)

2022年4月全国規模での抗議デモ

ペルーでは、2022年3月28日以降、ペルー国内の運輸業者や農業従事者が燃料・肥料の価格高騰への対策を求め、各地で抗議デモが実施されています。
デモの大きさを懸念した政府が、4月7日から30日間の非常事態宣言も出すほどです。
このデモは、2023年4月現在も続いています。

2023年1月プーノ州での抗議活動激化

2022年12月7日以降、全土にて前大統領の支持者等による抗議活動が実施されており、現在も治安当局との衝突等が発生しています。
死者も出るほどの衝突に発展しており、現在プーノ州は不要不急の渡航中止となっています。

2023年2月マチュピチュ遺跡の閉鎖

2022年から続く抗議活動により、一時はマチュピチュの観光客の受け入れが停止していました。
ただし、2023年2月15日からは観光客の受け入れを再開しています。
しかし、抗議活動自体が治まったわけではないので、今後も抗議活動の動向は確認しておかなければいけません。

ペルー人の人柄

ここまで、ペルーの治安について解説してきましたが、決してペルー人に優しい人がいないわけではありません。
むしろ、ペルー人は陽気で楽しく生きている人が多いです。
週末はお酒を飲みながらダンスをしたり、気さくに会話をして楽しんだり、どちらかというと温和な傾向があります。
また、ペルー人の特徴として、家族想いという点があります。
何事も「家族のため」と考えていて、日本では恋人と過ごすクリスマスなども、家族で過ごすことを優先している人が多いそうです。


マチュピチュ遺跡はとても魅力的な観光スポットですが、マチュピチュ周辺の治安は決して良いとは言えません。
また、社会情勢も荒れやすいです。
そのため、観光に行く際には、必ず治安情報や社会情勢を確認しておきましょう。
犯罪に巻き込まれてしまう観光客も多いので、しっかりと自分の身を守りながら行動してください。
Auther: ネイチャーガイド 今長谷 啓享

自分が行って楽しいと思える旅じゃないと作らない!というポリシーで現地調査・企画・手配を行い、現地の案内まで、ネイチャーガイドとして体験型で少人数のくつろぎの旅を提供。北極圏から南極大陸まで、歴史と文化に溢れる世界遺産からヨーロッパや南米アンデスの山々まで、海外への渡航歴200回以上、パリやベルギーにも駐在経験のある旅人。元山岳ガイドの経験も活かし「自然や世界遺産が好きな方々を体験型で少人数のくつろぎの旅の世界」へ今も日々案内中。