マチュピチュに行けなくなる?マチュピチュに規制がかかる理由とは?
ネイチャーガイド今長谷
ネイチャーガイドの今長谷です。
ペルーの観光スポットとして人気の高いマチュピチュですが、行けなくなる可能性があるとご存じでしょうか。
実際に2023年時点でマチュピチュに行けなくなるわけではありません。しかし、なぜこのような噂が出てきてしまうのでしょうか。
今回は、マチュピチュに行けなくなるといわれている理由や、これまでのマチュピチュの規制などについて解説します。
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マチュピチュに行けなくなると言われる理由は5つ
マチュピチュに行けなくなると言われている理由は、主に以下の5つが関係しています。
- 空港建設の影響
- 遺跡の劣化
- 自然災害
- 人的被害
- ゴミ問題
これらの事情が、マチュピチュ観光に大きな影響を与えているのです。
実際にどのような問題が起きているのか、解説していきます。
マチュピチュ空港建設による影響
そこでペルー政府は、マチュピチュによりアクセスのよい新しい国際空港を建設すると発表したのです。
アクセスはかなり良くなりますが、空港を建設した場合、遺跡の周辺にある「聖なる谷」と呼ばれるスポットの環境に影響が出ると言われているのです。
地元では反対抗議運動も行われていましたが、反対を押して建設に着工しているとのこと。
実際に、空港ができたからと言ってマチュピチュ遺跡そのものが見れなくなる可能性はありませんが、聖なる谷の貴重なインカ時代からの遺跡の一部が見れなくなってしまう可能性はあるかもしれません。
遺跡の劣化による影響
2019年5月には、遺跡劣化の進行を防ぐために主要三カ所の入場規制も行われました。
上記で解説した空港建設が行われれば、さらに劣化が進行する可能性もあるので、これまでのマチュピチュ遺跡は見れなくなってしまうかもしれません。
自然災害による影響
南米ペルーでは、毎年各地でエルニーニョ現象による土石流や浸水の被害が相次いでいるのです。
2020年には、ペルー各地での被害もあり、クスコ近くのピサックやサンタ・テレーサでも大きな被害が出ました。
現時点でマチュピチュ遺跡への影響は報じられていませんが、自然災害が多くなれば、今後マチュピチュ遺跡への影響も出てくると考えられます。
人的被害
過去には、マチュピチュ遺跡内で用を足したり、遺跡の上に登ったり……ということがあったそうです。
その他には、遺跡を走り回ったり怪我をしたり、中には命を落としてしまったようなケースもあります。
このような人的被害があるために、マチュピチュ遺跡の制限は年々厳しくなっている状況です。
今後人的被害が減少しないのであれば、遺跡への入場ができなくなってしまうかもしれません。
ネイチャーガイド今長谷
実際に遺跡を訪れたら劣化を実感することになります。多くの巨大な遺跡の石が人の重さで通路側に傾いているのです。元は精巧に組まれていたであろうその姿を見ると厳しい入場人数の制限や、遺跡内での歩き方まで指定される理由がよくわかります。決してジャンプなどしては駄目です!!
ゴミ問題
人的被害の一つとして、ゴミ問題もあります。
マチュピチュ遺跡を含むペルーの世界遺産では、観光客によるポイ捨てなどが多く見られました。
そのため、ペルー環境省は2018年に全国の自然保護区内でのプラスチック製品の使用を禁止すると発表。
ビニール袋やプラスチック製ストロー、発泡スチロール容器などは、持込・使用が禁止されています。
また、ペルー政府観光客は、観光客に対して以下のような呼びかけを行っています。
- 使い捨てボトルの代わりに水筒を使いましょう。
- リュックを携帯しましょう。ビニール袋より快適な上、よりたくさんの物が入ります。
- リュックを使わない方は、ハンドバッグや布製のかばんを使用しましょう。
- 食べ物の携帯には再利用可能な容器を用いましょう。
現在は、呼びかけや持ちこむ物の制限までとされていますが、もし今後減少しないのであれば、より入場規制は厳しくなるでしょう。
マチュピチュ入場の厳しい制限
2023年現在、実際に行けなくなる可能性は低いですが、以下で紹介する制限が厳しくなったり、制限を守らないことで観光客が入れなくなったりするかもしれません。
しっかりと確認して、マナーを守った観光を行ってください。
現在の入場制限
現在のマチュピチュの入場制限は、以下のように定められています。
- マチュピチュ入場券は全て事前予約、並びに購入が必要
- キャンセルになった場合は払い戻しはない
- マチュピチュ入場時間は 6:00~17:00
- 入場人数は、1日675名、1時間あたり75名まで
- 遺跡内滞在時間は2時間以内
- 遺跡入場には公認ガイドの同行が必須。入場・退場ともに公認ガイドと一緒でなければいけない
- 公認ガイド1名あたり7名まで入場可能。7名を超える場合はさらにガイドをつけなければいけない
- 遺跡内の観光は順路通りに見学。逆方向には進めない
- 再入場負荷
- 指定外のエリアには入れない
ちなみに、入場人数の制限は、どんどん厳しくなっています。
2017年時点の情報では、1ガイドにつき16名入場できましたが、現在は1ガイドにつき7名までです。
規制が厳しくなっているということは、それだけマナーが守られていないのかもしれません。
抗議活動の影響での入場規制
抗議活動による入場規制も、過去には行われていました。
2023年1月24日の日本国大使館による情報では、以下のような制限が設けられていました。
- クスコとマチュピチュ間を含む路線での鉄道の無期限運行停止
- マチュピチュ遺跡及び同遺跡に向かう道路網(インカトレイル)の閉鎖を
- マチュピチュ遺跡等への入場停止
現在は入場可能となっていますが、ペルーの情勢は流動的であるため、今後も入場規制がかかる可能性があります。
また、その他の内容でデモなどが起きた場合にも、マチュピチュを含むペルーへの観光が規制される可能性があります。
マチュピチュの注意事項
マチュピチュのルールの他に、注意事項も確認しておきましょう。
マナーの他、知っておかないと困るような項目もあるので、確認しておいてください。
- 遺跡内にトイレはない
- 遺跡内に大きな荷物は持ち込めない(大きな荷物がある場合は入口近くの荷物一時預け所へ預ける)
- 遺跡内は火気厳禁・禁煙
- 遺跡内に食事の持ちこみは不可
とくに注意しなければいけないのは、トイレです。
遺跡内にトイレはなく、どうしても行きたくなった場合にも再入場は不可なので、一度出てしまうと戻ってこれません。
このルールによって遺跡内で用を足してしまう人がいるのかもしれませんが、世界遺産である場所で用を足すというのは、もちろんルール違反ですし、遺跡内の美観を損なう可能性があります。
そのため、マチュピチュ遺跡に入る前には、必ずトイレに行っておきましょう。
また、高山病によって嘔吐などの可能性もあるので、高山病の薬も必ず常備し、飲んでおくようにしてください。
マチュピチュに行くなら早いうちに行きましょう
ネイチャーガイド今長谷
いかがでしたか?
マチュピチュ遺跡に行くなら、空港ができる前に行っておいた方が良いかもしれません。
空港ができたからといって完全にマチュピチュに行けなくなるわけではありませんが、一部については従来とは異なってしまう可能性があります。
また、観光客のマナーによっては、より規制が厳しくなる可能性があり、入場できる人数や滞在できる時間が狭まるかもしれません。
もし厳しくなってしまえば、今よりも気軽に観光ができなくなるので、早いうちに行っておきましょう。
ただし、マナーは必ず守ってください。
空港建設の問題もありますが、その他の規制理由のほとんどは観光客のマナーによるものです。
今後もマチュピチュ観光を楽しめるように、一人ひとりがしっかりマナーを守る意識を持ちましょう。