ウユニ塩湖周辺の宿で日本人禁止とされてしまう?背景

ウユニ塩湖周辺の宿で日本人禁止とされてしまう?背景

ネイチャーガイド今長谷写真
ネイチャーガイド今長谷

ネイチャーガイドの今長谷です。

ウユニ塩湖へ観光に行く際、宿泊先に注意してください。
なぜなら、ウユニ塩湖周辺のホテルでは、日本人の出入りを禁止としている宿があるからです。
しかし、なぜ日本人禁止とされてしまっているのでしょうか?
そこには、日本人旅行客のマナーが関係しています。
ぜひ今回の記事を参考に、自身のマナーについて見直してみてください。

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ウユニ塩湖周辺のホテルでは日本人禁止?

日本人は、海外諸国から見て「マナーが良い」と評されることが多いです。

しかし、当然、日本人全てのマナーが良いわけではありません。
なかには、現地の人に迷惑をかけてしまうケースもあります。

また、海外には日本の常識とは異なるマナーもあるため、知らないうちにマナー違反を犯してしまっている場合もあります。

そのため、ウユニ塩湖周辺の宿では、一時期「日本人の出入り禁止」とされていたこともありました。

では、実際にどのようなマナー違反があったのか、いくつかを紹介します。

 

1つ目は、星空を見るためのツアーによるものです。

星空を見るためのツアーは、主に18時~22時、22時~6時、深夜2時~9時の3つに分かれています。

このなかの深夜2時出発のツアーでは、ドタキャンが多いのです。

「日本人マナーが良い」という評判から、少し遅らせてくれるケースもありますが、「結果的に来てくれなかった」というケースも見られます。

このような「約束を守らない」ことが、日本人の評価を下げてしまっているのです。

2つ目は、ホテルでの大騒ぎ。

ウユニの町は、驚くほど日本人旅行客が多いです。

そのため、バックパッカー同士で夜中まで盛り上がってしまうというケースも珍しくありません。

深夜までお酒を飲んで騒がれるのは、同じ日本人でも迷惑に感じてしまいます。
まれではありますが、日本人グループの利用を断る宿もあるそうです。

 

3つ目は、ウユニの水不足が関係しています。

ウユニは慢性的な水不足で、水道の出しっぱなしは禁止です。

ホテルはタンクを使って水を溜めているものの、当然使用しすぎれば水がなくなってしまうため、シャワーの時間を制限したり、手洗いでの洗濯を禁止していたりします。

しかし、この実情を知らない日本人は、何も気にせずに汚れた服をバシャバシャ手洗いしたり、シャワーの時間を守らなかったりするのです。

知らないでやってしまうのであればまだしも、多くの宿には「洗濯物は〇時~〇時に洗ってください」や「シャワーは〇分の使用でお願いします」と、日本語で書かれた張り紙があるケースもあります。

それにも関わらず、ルールを破ってしまう日本人旅行者がいるのです。

現地の人にとって大切な水を、約束を守らずに使っているので、日本人に対して評価が下がってしまうのは納得と言えます。

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ボリビアに限らず日本人が海外で気を付けるべきはお水です。飲み水の話ではなくとにかく水を平気で大量に使います。日本のように水が豊富な国はまれで、どこの国でも水の確保には苦労してます。湯船に毎晩お湯をためてつかれを癒すというのはとてつもなく贅沢な水の使い方でしょう。そもそも標高が高いボリビアでのお湯を張ったバスタブ入浴自体が高山病のリスクを助長させますので避けましょう。

4つ目は、毛布の持ち出し。

ウユニ塩湖で星空を眺める際、時期によっては冷え込みが厳しく、0℃を下回る場合もあります。

このような場合は、単純に旅行者自身でインナーを重ねたり暖かいアウターを着たりする工夫が必要です。

しかし、なかにはホテルの毛布をウユニ塩湖へ持ち出してしまうケースがあります。

そして、毛布を塩まみれにした形で返却してしまうのです。

ホテルの備品を勝手に持ち出してしまうわけですから、当然ホテル側としては不満に感じてしまうでしょう。

 

ここまで解説してきたように、日本人が知らず知らずのうちに違反しているマナーや、誰が見ても迷惑だと思われる行為が、日本人旅行者の中に散見されます。

「現地では現地のルールに従い、迷惑のかからないようにする」といった当たり前の気遣いをしていれば、ウユニの人が日本人を嫌うことはなくなるでしょう。

ぜひウユニ塩湖に行く際には、一つひとつを参考にしながら、日本人の印象を良くする行動をとってください。

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ウユニ塩湖の人気が上がるにつれて少し目につについてきた問題ですね。旅の恥はかき捨てという言葉が昔はありましたが、もってのほかです。ウユニ塩湖は非常に美しいので、非日常の世界でどうしても羽目を外してしまうことが多いのでしょう。個人的には感動したからと言ってあまりに大きな歓声は・・どうなんだろうと行くたびに感じます。

ウユニ塩湖への旅行で日本人が知っておくべきこと

ウユニ塩湖への観光で、マナーはルールを知っておくのはもちろんですが、国の文化や特徴についても理解しておくと良いでしょう。

日本との違いを知ることが、その国を知ることに繋がります。

 

まず注意点としても知っておいてほしいのが、ストライキの可能性です。

ボリビアやペリーでは、労働者がストライキを起こす場合があります。

もしストライキが起きてしまうと、道路が封鎖されてしまう可能性もあり、旅行の支障が生じます。

日本ではストライキを実際に目にすることはほとんどありませんが、ウユニ周辺ではストライキが起こり得る可能性もあると理解しておきましょう。

 

2つ目に知っておいてほしいのは、トイレ事情です。

まず、ウユニ塩湖内にはほとんどトイレがありません。

トイレができるのは、主にコルチャニ村のトイレ、塩のホテルのトイレ、インカワシ島のトイレ程度です。

さらに、トイレも日本のように綺麗ではありません。
というか、日本のトイレが異常なほど綺麗とも言えますが・・
便器は便座がなく、水も流れない状態で、用を足した後は水桶から水をすくって流さなければいけないこともあります。

さらに使った紙は便器に流さず、置いてあるゴミ箱に入れてください。日本人にはちょっと抵抗がありますが、これはボリビアに限らず、世界の多くの国で共通のマナーです。これを守らずに流すと、詰まってトイレが使えないという状況に陥ります。

3つ目は、日本人に最も注意してもらいたい、治安問題です。

ウユニ塩湖周辺は観光客が多いため、治安の不安を感じないかもしれません。

しかし、ボリビア自体は残念ながら決して治安が良いほうとは言えません。
とくにボリビアの「ラパス」やラパス郊外の「エル・アルト」、第二の都市の「サンタクルス」には治安が悪い地域があり、窃盗や傷害事件も起きています。
日本人が多いとは言え、特に深夜の一人歩きは避けた方が良いでしょう。
もちろん、すべての場所の治安が悪いわけではありませんが、日本とは違うという感覚は必要です。

 

4つ目は、ボリビアの食事について。

ボリビア周辺のペルーやチリ、アルゼンチンなどの食事はクオリティが高いですが、ボリビアのローカルの食事については、お口に合わない場合もあるようです。
その理由は油の多さです。
ボリビアの食事は脂っこいものが多いという傾向があります。

また、日本のように衛生面が徹底されておらず、少し古い油を使用しているお店もあります。

ウユニ塩湖はただでさえ標高が高く体調を崩しやすいので、ボリビアでの食事には、気を付けましょう。但し、これはローカルのレストランの話です。観光客が多く使うようなレストランはまず大丈夫でしょう。

 

ここまで紹介してきたように、ウユニは日本の文化とは異なります。

ウユニ塩湖へ旅行に行くときには、これらの違いを理解しておきましょう
たとえば、事前にトイレの作りを知っていれば、「トイレが汚い」「トイレが使いにくい」といった不満にはならないですね。

もし現地でそのような発言を聞かれてしまった場合、現地の人からすれば良い気分にはなりません。

旅行者としてのストレスを軽減するためにも、現地の人に失礼のないようにするためにも、事前にウユニについて理解しておきましょう。

日本人禁止?という噂を打破しましょう

ウユニ塩湖に限らず、海外旅行に行く際は、一人の人間としてではなく、日本の看板を背負っているという意識でマナーを守った行動が大事です。

今回いくつかのマナー違反を挙げましたが、実際はマナーを守っている人がほとんどです。一部のマナー違反をしている人の行動が目立ってしまった結果、日本人禁止とされてしまう場合があるのです。

海外旅行においてマナーを守ることは、今後旅行に訪れる日本人がどれだけ快適に過ごせるかにも繋がります。

ボリビアという国の大きな産業は観光業ですし、移民など歴史的な背景から親日家は非常に多い国です。お金を落としている日本人に対して完全に出入り禁止とすることは絶対にありませんが、我々の行動が重要なのは間違いありません。

海外旅行や綺麗な景色で騒ぎたくなる気持ちもわかりますし、日本とは違う環境で不満が出てしまう気持ちもわかります。

しかし「郷に入れば郷に従え」です。

その国には、その国独自のルールや文化があります。
ぜひこれからウユニ塩湖へ旅行に行かれる方は、ウユニの文化やルール、現地の人の暮らしを理解した上で、マナーを守った行動を心がけましょう。

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ネイチャーガイド今長谷

と、ここまで耳がいた話を書きましたが団体でお客様を案内している者として、日本人を禁止しているような宿泊施設の話は聞いたことがありません。あちこちで話題に出ているようなので取り上げました。マナーを見直すには良い機会ですね。

Auther: ネイチャーガイド 今長谷 啓享

自分が行って楽しいと思える旅じゃないと作らない!というポリシーで現地調査・企画・手配を行い、現地の案内まで、ネイチャーガイドとして体験型で少人数のくつろぎの旅を提供。北極圏から南極大陸まで、歴史と文化に溢れる世界遺産からヨーロッパや南米アンデスの山々まで、海外への渡航歴200回以上、パリやベルギーにも駐在経験のある旅人。元山岳ガイドの経験も活かし「自然や世界遺産が好きな方々を体験型で少人数のくつろぎの旅の世界」へ今も日々案内中。