今長谷
ネイチャーガイドの今長谷です。ボリビアが世界に誇るウユニ塩湖。この美しい観光地に向かう前に是非とも訪れたい世界遺産の街があります。スクレとポトシ。ボリビアの憲法上の首都であり、スペインから独立する際の歴史の舞台だった別名「白い街」と呼ばれえるスクレは、豊かだった過去を誇る美しい白い建物が並びます。さらに時間を巻き戻して恐竜たちが歩いていた時代の化石も出る「恐竜の街」としても注目されています。またウユニ塩湖に近づくと世界遺産の街・ポトシへ。豊かな鉱山とボリビアの苦難の歴史が残っています。標高が高いウユニ塩湖に向かう前に身体を慣らすのに是非とも訪れて頂きたい二つの世界遺産の街の魅力を写真満載でお届けします。
ウユニ塩湖への道
世界遺産スクレとポトシの魅力
ボリビアの歴史を語る美しい街
世界遺産・スクレ
今長谷
ラパスから南東へ400kmに位置する憲法上の首都・スクレ。16世紀に発見された大銀山のポトシの銀を管理する街として発展し、1825年2月9日にはこの街でスペインからの独立文書への署名と独立が宣言されました。茶色ばかりのアンデスにあって、銀がもたらした財力がつぎ込まれた美しい白い建築物が嘗ての栄光を現在に伝えています。
リアル「ジュラシックパーク」
消えゆく世界最大級の「恐竜の足跡」化石群
今長谷
スクレの空港に着陸してすぐに恐竜の像が目に入ります。この街は恐竜の街でもあります。街の郊外の市立ファンセサ白亜紀公園では、凶暴なディノサウルスのモニュメントが迎えてくれます。中に入れば大小さまざまな恐竜が実物大のモニュメントとして展示されています。お隣のセメント工場の地層から恐竜の足跡が化石となって発見されたことでこの公園は作られました。公園の展望台に立てば前方の壁に恐竜が歩いたままの足跡を眺めることができます。その数は6000個。2015年には世界遺産に申請されています。しかし6500万年前のものと言われる足跡の化石はもろいセメント層にあり、風雨で少しずつ削られています。さらにセメントの採掘作業も進行中です。早めに訪れたい消えゆく観光地です。
世界的な大銀山「富の山(セロ・リコ)」
世界遺産・ポトシの歴史
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1545年に偶然発見された銀の山は後に「スペインまで銀の橋がかかる」とまで言われる銀を産んだ大銀山でした。一時は北南米で最大の人口を誇り、贅沢な建物が並ぶほど栄えましたが、銀が枯渇すると瞬く間に衰退。現在では残された建物が世界遺産として登録されています。最近は錫やタングステンなどが産出されて再び活気を取り戻していますが、そこで働く鉱山夫は今でも1日3ドルしか与えられていないと言われます。豊かな国土に貧しい庶民。まさにボリビアの歴史そのものの街です。
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いかがだったでしょうか? ウユニ塩湖は標高3660mもあり、飛行機で直接訪れると多くの方々に高山病の症状が現れます。頭痛に吐き気などに悩まされると折角の観光も台無しです。そこでお勧めしたいのが標高が低い場所から徐々に身体を慣らしながら標高を上げて行く方法です。スクレの標高は2750m。たとえ1000mの違いでもその差は歴然となります。標高が低いスクレを振り出しに、ポトシを訪れてからウユニ塩湖を訪れれば、ウユニ塩湖を楽しむための高山病対策とボリビアの歴史も理解出来る旅となります。