ウユニ塩湖は高山病のリスクあり。高山病対策をしてウユニ塩湖を楽しもう

ウユニ塩湖は高山病のリスクあり。高山病対策をしてウユニ塩湖を楽しもう

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ネイチャーガイド今長谷

ネイチャーガイドの今長谷です

ウユニ塩湖は、「奇跡の絶景」や「死ぬまでに見たい絶景」と評されるほどの絶景スポットです。
しかし、絶景と評される反面、高山病のリスクはつきまといます。
絶景を眺めにはるばる旅行に行ったのに、高山病に悩まされてしまってはせっかくの絶景も台無しになってしまいます。
では、高山病に悩まされずにウユニ塩湖を楽しむには、どのような対策を行うべきなのでしょうか。

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ウユニ塩湖の標高から見る高山病のリスク

ウユニ塩湖は、南米のボリビア西部にある「ウユニ」の街から車で1時間ほど。

アンデス山脈に囲まれた広大な大地に位置しています。
その標高はなんと、3,700m。
日本でたとえると、富士山と同じくらいの高さに位置しています。

富士山に登った経験のある人ならわかると思いますが、富士山は頂上のみが高山病になるリスクが高いわけではありません。
概ね八合目あたり(3,000mあたり)で高山病を発症する方が増え始めます。

ウユニ塩湖は標高が3,700mですから、富士山の八合目よりも高山病を発症するリスクは高いと言えるでしょう。

高山病は性別や年齢、山歩きの経験など一切関係なく、体質とその日の体調によって発症する症状で、中には2,000mあたりで発症する方も見られます。

 

しかし、そもそも高山病がどういったものなのかについて知らない人もいるかもしれません。

ここで、高山病についても解説しておきます。
高山病の代表的な初期症状は頭痛です。

頭痛に加えて、以下の症状も発症する可能性があります。

  • 食欲低下・嘔吐
  • 全身の倦怠感
  • 立ち眩みやめまい
  • 息苦しさ
  • 呼吸困難
  • せき
  • 胸部の圧迫感

さらに、高所脳浮腫と言われる症状までになると、命に関わる危険な状態です。
日時や場所がわからなくなるような見当識障害になったり、昏睡状態になったりしてしまいます。

このように、最悪の場合、死に至る可能性もあるため、高山病は侮れません。
ウユニ塩湖に行くのは十分に高山病のリスクと対策を考えておく必要があると言えるでしょう。

高山病対策をしてウユニ塩湖の絶景を楽しむ

ここまでで解説したように、ウユニ塩湖は高山病のリスクがある観光地です。

しかし、高山病のリスクが高いからといって、ウユニ塩湖の絶景を諦める必要はありません。

しっかりと高山病の対策を行っておけば、高山病が発症するリスクを軽減しながら、絶景を楽しめます。

では、実際にどのような対策を行うべきなのか、解説していきます。

 

まず大事なのが、高度順応です。

高度順応とは、少しずつ時間をかけて標高に対応できる身体にしていく方法。

高い標高に慣れないうちにウユニ塩湖を目指すと、高い確率で高山病を発症してしまいます。

そのため、ウユニ塩湖に入る前に標高が低い観光地から徐々に高度を上げて身体を慣らしていくのです。

たとえば、ボリビアにもサンタクルスなど標高が低い街、さらに世界遺産の街のスクレなど中程度の標高の街があります。このあたりに滞在するだけでも、標高の高さに身体が慣れていきます。

このように、少しずつ標高の高さに慣れていけば、高山病発症のリスクを防げます。

 

しかし、長期的な旅行ではなく、短期的な旅行としてウユニ塩湖を目指す人もいるでしょう。

ゆっくり身体を慣らす時間がない場合は、とにかくゆっくりと行動してください。
焦らず、走らずにゆっくりマイペースで歩くことが大事です。

滞在するほどではないものの、ゆっくり歩くことで身体が順応していきます。

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地球の裏側まで飛んで、ウユニ塩湖はもちろん、玄関口の首都ラパス(こちらも標高は3600m)など、いきなり標高が高い場所に着いたら体調が悪くなりがちです。でも、問題はそれが高山病なのか、疲れなのか、時差ぼけなのか・・
ウユニ塩湖が目的地であっても、入国は標高が低い街、例えばサンタクルスから入って、陸路などを混ぜながら徐々にウユニ塩湖を目指すのがお勧めです。
時間がない旅は富士山の弾丸ツアーと同じです。高山病に年齢は無関係です。

次に対策として挙げられるのが、予防薬の服用です。

高山病には、ダイアモックスという代表的な予防薬があります。

高地に上がる前から飲んでおくと、高山病を防止できるので、ウユニ塩湖を目指すのであれば、持っておくと良いでしょう。

ただし、ダイアモックスは市販では購入できず、医師の診断が必要になります。

ダイアモックスを持っておきたい場合は、日本旅行医学会が定める病院にて、処方してもらいましょう。

因みにお勧めはしませんが現地でも購入可能です(完全に個人責任です)。
現地の場合は「ダイアモックス」という商品名ではなく、「アセタック」という名前で販売されています。

成分名である「アセタゾラミド」は世界共通で通じるので、「アセタゼラミド」と伝えるのも良いでしょう。
しかし、現地では薬の保存状態に注意してください。
日本のような管理はされていないので、薬自体に不備がある場合もあります。

そのような点も考えると、多少の手間にはなってしまいますが、日本で処方して現地に向かう以外は不可と考えて良いでしょう。

 

ダイアモックスは、早い段階から服用してください。

ウユニ塩湖についてからや高山病を発症してからでは遅いです。
高山病を発症してからは効き目はあまり期待できないので、高所に行く数日前から服用してください。

目安としては、ウユニ塩湖を目指す3日前がベストです。
つまりダイヤモックスは予防薬というわけです。

残念ながら発症して頭痛などが出てしまったら、日本の鎮痛剤の出番です。

最後に、基本的な対策について解説します。

高山病を発症しないためには、ウユニ塩湖に行く前や向かっている最中の過ごし方も大事です。

とくに重要なポイントは、以下のとおり。

  • 食事は腹六分目
  • 入浴はシャワーのみで熱い湯舟に浸からない
  • 飲酒・喫煙は避ける
  • 水分補給をしっかり行う
  • うたた寝は避ける
  •     

  • 腹式呼吸の励行

これらのポイントを守るだけでも、高山病になる可能性を軽減できます。

また、心臓や肺、血圧や糖尿病等に関する疾病を持っている場合は、ウユニ塩湖へ向かう前に、必ず主治医の許可をもらってください。

健康的な身体の人でさえ高山病になるリスクは高いので、疾病を持っている場合は、とても危険です。

主治医の先生から許可が出ない場合は、諦めるほかありません。

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身体がどんな状態であるかを知るには血中酸素濃度を測る器具を準備するとわかりやすくなります。新型コロナでかなり注目された器具ですね。通常は96~100ですがウユニ塩湖に行けば70~80台になるのはが普通です。これが50~60台となるとかなり身体は深刻な状況になっている可能性があります(個人差あり)。ぜひ試していただきたいのが腹式呼吸で、これを励行したら驚くほど数値が改善します。

高山病で注意しておくべきこと

高山病の代表的な症状である「頭痛」は、高山病のなかでは軽度な症状と言えます。

そのため、頭痛を薬などでおさえながら登山をしたり標高の高い位置に向かったりする人もいます。

もちろん頭痛だけでも十分注意しなければいけませんが、とくに注意しておきたいのは、以下の症状が出た場合です。

  • 身体の疲労感が強い
  • まっすぐ歩けない・ふらつく
  • 安静にしていても息切れする

上記のような症状になった場合は、高山病が重症化しているサインです。

一度安静にして、それでも回復しない場合には、ただちに低い地点に降りましょう。

また、少しでも高山病で辛いと感じたら、旅行グループや仲間などに伝えてください。

高山病の死亡例で多いのは、団体行動の場合と言われています。

他のメンバーに気を遣って無理をしたために、高山病が重症化してしまうのです。

高山病は死に至るケースもあるので、身体が辛いと感じたら、必ず無理をせずに伝えてください。

高山病対策を行えばウユニ塩湖は決して危険ではない

ウユニ塩湖が危険とされている理由は、標高の高さによる高山病です。

高山病自体は最悪の場合、死に至ってしまうため、確かに危険と言えます。

しかし、高山病の対策さえしっかり行えば、危険は回避できます。

ウユニ塩湖に行く際には、高山病対策をしっかり考えた上で向かってください。

高山病対策さえ行っておけば、奇跡の絶景を十分堪能できるでしょう。

Auther: ネイチャーガイド 今長谷 啓享

自分が行って楽しいと思える旅じゃないと作らない!というポリシーで現地調査・企画・手配を行い、現地の案内まで、ネイチャーガイドとして体験型で少人数のくつろぎの旅を提供。北極圏から南極大陸まで、歴史と文化に溢れる世界遺産からヨーロッパや南米アンデスの山々まで、海外への渡航歴200回以上、パリやベルギーにも駐在経験のある旅人。元山岳ガイドの経験も活かし「自然や世界遺産が好きな方々を体験型で少人数のくつろぎの旅の世界」へ今も日々案内中。

今長谷
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