南極クルーズのベストシーズン!シーズンごとの魅力は?
ネイチャーガイド今長谷
ネイチャーガイドの今長谷です!
南極は一年中氷に覆われていますが、年間を通して変化がないわけではありません。
行く時期によってペンギンの暮らし方が変わったり、見られる動物が変わったりするなど、シーズンごとの楽しみ方があります。
そこで今回は、南極クルーズに行く際のベストシーズンについて解説します。
南極観光を検討されている人は、参考にしてください。
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南極のベストシーズンは11月~3月
この時期は南極の夏にあたりますのでイメージとは違って比較的温暖です。
とは言っても、南極の夏は日本の冬よりも寒いので、防寒対策は行いましょう。
以下で、11月~3月の南極の特徴について解説します。
11月~12月の南極
この時期は、長い冬を超えた南極の景色が魅力です。
真っ白な氷山やアクアマリンの色彩など、素晴らしい景色を堪能できるでしょう。
また、11月~12月は、ペンギンの求愛シーズンで、巣作りを始める時期です。
その他、サウスジョージア島では、ゾウアザラシやオットセイが繁殖をしています。
12~2月前半の南極
この時期はペンギン観測をするにもおすすめのシーズン。
ペンギンのヒナが12月頃に孵化し始め、1~2月と季節が進むにつれて、ヒナのために餌をとる親ペンギンと、待ちかねたように親鳥を追いかけて餌をねだるヒナの姿が見られます。
2月後半~3月の南極
この時期は、パックアイスが後退するために、さらに南の地域への探索も可能です。
また、海の氷も減りますのでホエールウォッチングにも最適な時期です。
この時期にとくに見ておいてほしいのが、南極の日没。
ミッドシーズンは1日の日照時間が長いですが、レイトシーズンは徐々に日照時間が短くなり、とても神秘的な日没の風景を見られる可能性が出てきます。
真っ白な海、氷と混ざっていく夕陽は、この世の物とは思えないほどの美しさです。
また、この時期のペンギンのヒナは産毛も取れていよいよ巣立ちが近づきます。大きさもほとんど親と変わりがなくなります。
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ヒナが海に入るタイミングは産毛次第です。産毛は防水性がないため産毛が生えている間は海に入ることはできません。準備が整ってくると親鳥のトレーニングも本格化。餌を求めてヒナが親鳥を追いかけ、親鳥が海に飛び込む。そこで恐怖心に勝ったヒナが海に飛び込むといよいよ一人前です。
南極のシーズンごとの気温はどの位?
南極にも夏はありますが、日本の夏のような暖かい時期はありません。
以下は、気象庁による南極昭和基地の年間気温の表です。
南極の気温を理解して、服装などの準備をしっかり行いましょう。
月 | 最低気温 | 最高気温 | 平均気温 |
1月 | -3.6℃ | 1.4℃ | -1.0℃ |
2月 | -5.9℃ | -0.7℃ | -3.2℃ |
3月 | -7.5℃ | -3.4℃ | -5.3℃ |
4月 | -14.7℃ | -7.5℃ | -10.9℃ |
5月 | -15.7℃ | -10.0℃ | -12.7℃ |
6月 | -16.8℃ | -10.1℃ | -12.9℃ |
7月 | -21.8℃ | -13.8℃ | -17.9℃ |
8月 | -19.2℃ | -11.4℃ | -14.8℃ |
9月 | -23.3℃ | -16.7℃ | -19.7℃ |
10月 | -15.2℃ | -7.8℃ | -11.0℃ |
11月 | -9.6℃ | -4.8℃ | -6.6℃ |
12月 | -5.5℃ | -0.4℃ | -2.5℃ |
(参考元:気象庁|2022年昭和基地の観測結果)
上記の表を見てもわかるように、11月~3月までがベストシーズンとされているのは、気温も関係しています。
11月~3月以外の時期は、とても耐えられる寒さではありません。
7月~9月は、-20℃以下になる場合もあります。
-20℃がどの位かと言うと、露出している部分の水分がすべて凍るほどの寒さです。
涙や鼻水、まつげなども凍ってしまいます。
そのため、11月~3月以外の時期は、観光というよりも寒冷地域のプロでなければ楽しめない上に、危険なのです。
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データの関係で昭和基地を例に挙げましたが、ほとんどの南極大陸の旅で訪れるのは南極半島です。別名「南極のバナナ」と呼ばれるその理由の一つはバナナのような形、そして重要なのはその温度。さすがにバナナは育ちませんが比較的北(日本で言えば南)に位置するので、かなり温かいのです。だからこそ多くの野生動物もここで生活しています。
南極のベストシーズンの服装
そのため、防寒対策はしっかりと行っておきましょう。
以下で、南極観光に行く際の服装を紹介します。
南極観光の上半身の服装
上半身は、以下のアイテムを着こむようにしてください。
- パルカ
- フリース
- セーター
- ヒートテック
- 防止
- 手袋
- マフラー
- フェイスウォーマー
上記の中で「パルカ」は聞きなれない方が多いかと思います。
パルカは防風・防水仕様の防寒上着で、クルーズの場合はツアー費用に含まれていてお持ち帰りできるケースがほとんどです。
南極観光の下半身の服装
下半身は濡れる心配もあるので、防寒対策だけではなく、防水対策も行いましょう。
- 防水性のズボン
- チノパン
- 厚手の靴下
- 厚手のタイツ
- 長靴
長靴についてはクルーズ船で貸し出されます。
むしろご自分の長靴では上陸はできないとご理解ください。
南極でちょっと気になる?野生動物の匂い
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すこし気になるかもしれないのが動物たちの匂い。これこそが南極が野生の王国である醍醐味でもあるんですけどね。
南極は無菌であるため無臭だと思っている人もいるかもしれませんが、ペンギンが暮らす場所では、動物たち特有の匂いがします。
とくにペンギンが集団で暮らしている巣の近くには、分解されずに溜まっているフンや、魚などの餌の匂いがします。
耐えがたい匂いというほどではありませんし、慣れてくると営巣地が近くにあると気づかせてもくれますよ。
南極観光に最もおすすめしたいのは2月~3月上旬
ネイチャーガイド今長谷
南極のベストシーズンについて解説しましたが、最もおすすめなのはペンギンの暮らしが活発になる2月~3月上旬です。
ペンギンの成長を見たい人にはぜひおすすめ。
また、比較的温暖な時期でもあるので、防寒対策さえしっかりしていれば、寒さもそれほど気にならない時期です。
この時期は多くの会社が南極ツアーを出しているので、ぜひ南極ツアーを検討してみてください。